「証拠の目的外使用」タグアーカイブ

刑事法に関する法令の改正が、法務省・検察庁の思惑通りに(裁判所や一部の御用学者の協賛も得て)進んだ時に、その先に何が待っているかということを考える上で(特に共謀罪など)、格好の参考事例と言えるでしょう。/落合洋司弁護士

上記の条文を、形式的にあてはめてしまえば、法科大学院生は事件記録を見られない、ということになりそうですが、それを言い始めれば、司法修習生への交付等も目的外使用になってしまうでしょう。記事では、司法修習生の「守秘義務」を理由に可能、とされていますが、司法修習生も、事件の関係では単なる部外者ですから、検察庁お得意の杓子定規をあてはめれば、記録を見ることはできず、また、接見に行っても弁護士とともに立会人なしで被疑者・被告人に接見できないはずです。

守秘義務があるので可能、というのであれば、検察庁や裁判所と法科大学院生の間で、秘密保持契約でも締結すれば(違反した場合は法科大学院を退学すると約束するとか)、同じことでしょう。

さしあたっては、当該弁護人の、法科大学院生に対する教育という「正当業務行為」として(これが正当業務行為ではない、という人がいれば、お目にかかりたいですね)、違法性が阻却されると考える、というところでしょうか。

法科大学院に教員を派遣しておきながら、何を考えているんでしょうね、検察庁は。

刑事法に関する法令の改正が、法務省・検察庁の思惑通りに(裁判所や一部の御用学者の協賛も得て)進んだ時に、その先に何が待っているかということを考える上で(特に共謀罪など)、格好の参考事例と言えるでしょう。

引用:2006-11-05 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日

2013年7月の滝井先生へのインタビュー →憲法の視点を忘れてはいけない~証拠の「目的外使用」を巡って(江川紹子) /ジャーナリスト江川紹子

日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:刑訴法改正法案から証拠の目的外使用条項の削除を求める会長声明

- 被告人の防御権を制約し、刑事手続の検証を困難にする「開示証拠の使用制限」条項の修正を強く求める -

本年3月2日に国会に提出された刑事訴訟法改正法案には、刑事手続において開示された証拠の複製等を、被告人若しくは弁護人が審理の準備以外の目的で人に交付、提示すること、電気通信回線を通じて提供することを全面的に禁止し、被告人がこれに違反したときには懲役刑を含む罰則を科す条項(開示証拠の使用制限条項)が含まれている。その立法趣旨は、供述調書などを対価を得る目的で第三者に売却したり、被害者や第三者のプライバシーを含む証拠をインターネット上で公開するなどの弊害に対処するためと説明されている。当連合会は、こうした弊害を防止するために必要な範囲で開示証拠の使用制限条項を設けること自体に反対するものではない。

しかしこの条項は、証拠の内容を問わず、また公開の法廷に提出された証拠か否かを問わず一律に使用禁止の対象としていることから、その使用理由が如何に正当なものであったとしても、審理の準備以外の目的で開示証拠を使用することは全て禁止されることになり、被告人の防御権を不当に制約することは勿論、裁判公開原則や報道の自由とも抵触するおそれが大きい。

例えば、本年3月30日付け東京新聞は、東京区検の検察官が被疑者の供述調書を改ざんした事案を報じ、改ざんされた部分の調書の写しを掲載している。こうした報道が、捜査機関の重大な違法行為を国民に明らかにし、刑事手続の公正を確保するため大きな意義を持つことは明らかであるが、改正案によれば、このような報道は行うことができないこととなる。

また、無罪を訴える被告人が、支援を求める文書等において、有罪の根拠とされている鑑定書や被告人自身の供述調書の一部を引用することは現在広く行われている。こうした言論活動は、被告人の防御にとって重要な意味を持つものであるが、改正案によれば、こうした言論活動も全て禁止の対象となる。

ところで、同様に国会審議中の裁判員法案では、裁判員に対し評議の経過全般について守秘義務を課し、かつ罰則に懲役刑を含めるなど、裁判員裁判の検証を困難とする過度な規制となっており、当連合会は、守秘義務の範囲の限定と懲役刑の削除を求めている。開示証拠の使用制限条項も、裁判員の守秘義務の問題と同様に、権力行使の場である刑事裁判手続について、必要な情報を主権者である国民に公開して検証することを困難とさせるものであり、裁判員制度の導入が目指している「国民に開かれた司法」の理念に逆行するものである。

当連合会は、国会に対し、正当な理由のある開示証拠の利用については禁止対象から除外する修正が図られることを強く求めるものである。

2004年(平成16年)4月9日

引用:日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:刑訴法改正法案から証拠の目的外使用条項の削除を求める会長声明

2014-09-01_Twitter / ジャーナリスト江川紹子さん(@amneris84)の「証拠の目的外使用」に関するツイートのまとめ.txt

<2014年09月01日(月) 19時36分13秒にTwitterAPIで取得したamneris84(Shoko Egawa)のプロフィール情報>
http://t.co/Miz2DzXEsa

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/04/04 01:07 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/451752892899160064
これまで、弁護人が証拠を報道関係者に提供して国民に事実を知らせることを、検察は「証拠の目的外使用だ!」として圧力をかけてやめさせるようにしてきたが、袴田事件で捏造証拠の隠蔽すら疑われている検察が、弁護人をそうやって攻撃してきたら、どうゆうことになるのか…。酷刑ですらあるにゃ。

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/04/04 00:40 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/451746161603252224
クロ現すばらしい!これだけ調書などの証拠を映像化して問題提起。刑訴法改正後、検察は、証拠の目的外使用として報道が証拠を利用するのを妨害してきた。でも検察官だけのものぢゃない。国民のため、捜査や司法の問題を提起するために利用することもありとの前例を、全国放送でやったNHKえらい!

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/04/04 00:33 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/451744331540332544
クロ現再放送を視聴ちぅ。調書や実況見分の写真がたくさん出ているが、これを目的外使用だと、また検察側がギャーギャー言い出したりしませんように。万が一言い出したら、速攻で粉砕が必要。

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/03/18 19:04 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/445863187699601409
大阪弁護士会でしむぽ「証拠は誰のものか?〜DVD提供事件を契機に「目的外使用禁止規定」を考える〜」にゃう。経過報告する佐田元弁護士 http://t.co/25RGmITXzM

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/01/17 07:52 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/423951016451526656
佐田元弁護士らは、「結論はともかく、内容は評価できない。この議決は、『証拠の目的外使用』問題の終わりではなく、始まりだ」と述べている。 参考→取り調べ映像:NHK提供の弁護士「悪質性ない」処分せず-毎日新聞 http://t.co/dkL127t2im

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/01/08 15:59 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/420812043982098432
佐田元(さだもと)弁護士ですw RT @zoriorz 弁護士の人の苗字が紛らわしくて、もう弁護士じゃなくなったのかと思ってしまった。 / “「品位」を問われるべきはどちらか~証拠の「目的外使用」で弁護士会の審尋開かれる” http://t.co/pgaQjhHtpP

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/01/08 15:46 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/420808692414423040
これも、検察による弁護士懲戒請求事件に関する過去記事。関心があって、まだお読みでない方ははどうぞ。滝井弁護士へのインタビューです →憲法の視点を忘れてはいけない~証拠の「目的外使用」を巡って(江川 紹子) – Y!ニュース http://t.co/4PTRFQWmWa

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2014/01/07 21:12 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/420528478782357504
書きました~ →「品位」を問われるべきはどちらか~証拠の「目的外使用」で弁護士会の審尋開かれる(江川 紹子) – Y!ニュース http://t.co/Le0xer3JmJ

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2013/07/29 15:02 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/361728343684546560
こんなん書きました →憲法の視点を忘れてはいけない~証拠の「目的外使用」を巡って(江川 紹子) – Y!ニュース http://t.co/4PTRFQWmWa

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2013/05/30 14:05 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/339970743901241345
検察が、検事の行いについて内部調査するのに、証拠のDVDを高検や最高検に見せるのは、証拠の「目的外使用」ぢゃないんですかぁ〜 →時事ドットコム:カッター突き付け認める=福岡高検が調査-佐賀地検 http://t.co/dolrAiuu2q

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2013/05/30 07:04 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/339864871007027200
まずは、刑事確定訴訟記録法で確定記録を見せない、というところから始まり、証拠の「目的外使用」ということで証拠類をジャーナリストに見せるなという脅しが行われ、こうして捜査機関の問題を報じる材料をどんどん奪っていった。刑事裁判の記録は誰のものか?

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2013/05/28 22:17 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/339369724163006464
これが変! RT @1961kumachin: 佐賀地検の件は、特別公務員暴行陵虐罪で告発するったって、開示されたDVDを添付した時点で目的外使用(刑事訴訟法281条の4違反)なんだからなあ。DVDの内容を詳細に文書化した報告書をつけても「目的外使用」と言われるのか?

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2011/01/23 16:01 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/29071185115348992
激しく同意ですにゃんRT @TAKEDAmasahiro: 除名処分で対応できるのに、公益にかなう使用も制限して一律禁止するのはおかしい @crusing21 松本智津夫の私選弁護人横山弁護士が「週刊現代」に調書を提供し、弁護士会を除名になった〈目的外使用禁止の立法事実〉

投稿者:amneris84(Shoko Egawa) 日時:2011/01/22 03:04 ツイート: https://twitter.com/amneris84/status/28513155101495296
同意RT @TAKEDAmasahiro: 報道の問題だけでなく、被告の防御に関わる正当な使用まで制限されます。刑訴法改正の国会論議が不十分だったと思います。@crusing21 この禁止規定は削除されるべきRT @TAKEDAmasahiro: 検察開示証拠の目的外使用禁止。

調書や実況見分の写真がたくさん出ているが、これを目的外使用だと、また検察側がギャーギャー言い出したりしませんように。/ジャーナリスト江川紹子

大阪弁護士会でしむぽ「証拠は誰のものか?〜DVD提供事件を契機に「目的外使用禁止規定」を考える〜」にゃう。/ジャーナリスト江川紹子

落合コメントあり。→NHKに取り調べ映像提供は「刑訴法違反」 専門家ら「法改正し柔軟運用を」 – MSN産経ニュース /落合洋司弁護士

元検事の落合洋司弁護士は「形式的には違法になる」と同意するが、「現行の目的外使用の規定は検察のために作られたともいえ、窮屈すぎる」と指摘。/落合洋司弁護士

2014.2.11 10:00 (2/2ページ)

 弁護士会が刑訴法違反と認定したことに、元検事の落合洋司弁護士は「形式的には違法になる」と同意するが、「現行の目的外使用の規定は検察のために作られたともいえ、窮屈すぎる」と指摘。開示された証拠の使い道については「無制限ではなく、一定の合理的制約が必要」と言及しつつ、「今回の事件はすでに終結し、関係者に迷惑はかかっていない。可視化の議論に資するという重要な目的からしても、世に問う道が開かれているべきだ」と強調した。

 一橋大の村岡啓一教授(刑事法)も「刑事司法の枠外で無条件に証拠の使用が認められるのは適切でない」と規定の趣旨に理解を示した上で、「刑訴法が禁じる目的外使用は、公正で迅速な裁判を妨げる行為。刑事司法に関わる問題を指摘した今回の行為は例外といえ、柔軟に対応できる規定に改めたほうがいい」と提言している。

引用:NHKに取り調べ映像提供は「刑訴法違反」 専門家ら「法改正し柔軟運用を」+(2/2ページ) – MSN産経ニュース

開示証拠が無制約に世に出てしまうことに一定の合理的な制限をかけることと、元々が公益のために収集された証拠である以上、公益に資するような使用/落合洋司弁護士

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140211/ent14021110000001-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140211/ent14021110000001-n2.htm

弁護士会が刑訴法違反と認定したことに、元検事の落合洋司弁護士は「形式的には違法になる」と同意するが、「現行の目的外使用の規定は検察のために作られたともいえ、窮屈すぎる」と指摘。開示された証拠の使い道については「無制限ではなく、一定の合理的制約が必要」と言及しつつ、「今回の事件はすでに終結し、関係者に迷惑はかかっていない。可視化の議論に資するという重要な目的からしても、世に問う道が開かれているべきだ」と強調した。

この問題に関する私のコメント経緯は、

映像提供問題で弁護士「懲戒せず」と通知

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20140118#1390029737

の通りですが、開示証拠が無制約に世に出てしまうことに一定の合理的な制限をかけることと、元々が公益のために収集された証拠である以上、公益に資するような使用(今回の取調べ映像提供は誰の権利も侵害せず正にそうだと思いますが)にも道を開く、現行法制の見直しが急務ではないかと思います。そういった建設的な議論へと、今後、進むことを大いに期待したいものです。私のようなしがない弁護士には、ブログやツイッター、取材等で問題提起するくらいしかできませんから、あとは、それなりに力を持った方々でしっかりとやってください。

引用:2014-02-12 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」

佐田元真己弁護士(大阪弁護士会)が大阪地検に懲戒請求された問題で、大阪弁護士会は15日、懲戒処分をしないと決定した。

毎日新聞 2014年01月16日 22時04分

 刑事事件の公判で再生された取り調べ映像のDVDをNHKに提供したとして、佐田元真己弁護士(大阪弁護士会)が大阪地検に懲戒請求された問題で、大阪弁護士会は15日、懲戒処分をしないと決定した。DVD提供は違法だと指摘したものの、プライバシーに配慮するなど悪質性はないと判断した。地検はこの決定に不服があれば、日弁連に異議申し立てができる。

 決定書などによると、佐田元弁護士は、傷害致死罪で起訴され、2011年7月に大阪地裁で無罪=1審で確定=となった男性の弁護を担当。公判で検察が提出した取り調べ状況の録画映像が被告の供述調書の内容と食い違っているとして、無罪の決め手になった。

 判決確定後、佐田元弁護士は取り調べの可視化をテーマにしたNHKの取材に賛同し、男性の了解を得てDVDを提供。NHKは男性の姿にモザイクをかけ、昨年4月の番組などで放映した。これに対し、地検は同5月、証拠の目的外使用を禁じた刑事訴訟法違反だとして、大阪弁護士会に懲戒を請求した。

 同会は「刑事訴訟法の解釈では、裁判準備以外の目的を読み取るのは無理がある」とし、DVD提供は証拠の目的外利用に当たると指摘したが、「関係者の名誉やプライバシーが害されていない。可視化議論に資する目的であり、悪質性はない」と結論付けた。

 16日に記者会見した佐田元弁護士は違法判断について、「国民の知る権利に資する行為なのに、形式的にとらえるのはおかしい」と述べた。【服部陽】

引用:取り調べ映像:NHK提供の弁護士「悪質性ない」処分せず – 毎日新聞