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八田隆氏が国家賠償請求訴訟で挑む「検察への『倍返し』」/郷原信郎弁護士

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“Title : 八田隆氏が国家賠償請求訴訟で挑む「検察への『倍返し』」/郷原信郎弁護士
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投稿日 2014年5月16日 投稿者: nobuogohara

東京国税局に告発され、東京地検特捜部に起訴されるという、それまでは有罪率100%だった脱税事件で、一審無罪判決、検察官控訴棄却で無罪確定という全面勝利を勝ち取った元クレディ・スイス証券の八田隆氏が、本日(2014年5月16日)、検察庁と国税局の違法行為に対する損害賠償請求訴訟を提起する。

この国家賠償請求訴訟の代理人弁護団には、捜査段階から一審、控訴審の全過程で弁護人として八田氏の無罪主張を支え続けて見事に無罪を勝ち取った小松正和弁護士、本件では控訴審から弁護人に加わって八田氏の「完全勝利」に貢献した喜田村洋一弁護士(検察審査会の議決によって起訴された小沢一郎氏の政治資金規正法違反事件でも弁護人として無罪判決を勝ち取った)、元検察官で、「検察の在り方検討会議の委員」も務め、一連の特捜検察の不祥事について徹底した検察批判を展開してきた私、そして、元裁判官で、「司法権力の内幕」「教養としての冤罪論」等の著書等を通して裁判所の体質や刑事司法の現実を厳しく批判している森炎弁護士が加わった。
八田氏は、今回の弁護士チームを「ドリーム・チーム」と称している【国家賠償訴訟に関して (2)~代理人ドリーム・チーム結成!】。

八田氏は、2009年12月に、脱税(所得税法違反)で東京国税局に告発されたが、捜査段階から、株式報酬は源泉徴収されていると認識していたもので、脱税の犯意はなかったとして全面否認してきた。同社において税務調査の対象とされた約300人のうち、約100人が株式報酬について無申告であったこと、ゴールドマン・サックス証券会社など、クレディ・スイス証券会社と同様の立場にある外国証券会社では、株式報酬について源泉徴収を行っていたことなどに加え、八田氏には脱税の犯意はなかったことを裏付ける証拠が十分にあり、検察には、弁解を覆せる見込みは全くなかった。
それにもかかわらず、東京地検特捜部は、2011年12月に、八田氏を起訴した。当然の結果として、2013年3月1日 東京地裁刑事8部は、八田氏に対して無罪を言い渡した。
検察官は、この裁判所の当然の無罪判断を受け入れず、東京高裁に控訴を申し立てたが、検察官の証拠請求は、すべて却下され、2014年1月31日 控訴は棄却、検察官は上告をせず、無罪が確定した。

検察官は、起訴不起訴の判断について広範な裁量権を与えられている。その検察官が、起訴の対象を「有罪判決が得られる見込み」で絞り込んでいることが、有罪率99.9%という異常な数字につながっているとの指摘もある。
たとえば、鉄道事故、航空機事故等の業務上過失致死事件等で、被害者・遺族が強く処罰を希望する場合は、有罪判決が得られる見込みが低い事件であっても起訴して、公開の法廷における審理を通して裁判所の判断を仰ぐべきという意見もあり、このような事件では、検察官が起訴した事件が無罪になったからと言って、ただちに、その起訴が不当と評価されるわけではない。
しかし、本件で東京地検特捜部が起訴した八田氏の事件は、そのような「積極的な起訴」が期待される事件とは全く性格を異にする。
まず、本件には、処罰を求める被害者も遺族もいない。国家が個人から税を徴収するに当たって、自ら所得を申告して納税させるという「申告納税制度」の下では、当局による所得の把握を困難にするような仮装・隠ぺい行為が行われると、制度の運用に支障が生じることから、そのような行為を罰することで、納税者の正直な所得申告を確保しようというのが脱税犯処罰の趣旨であり、まさに、税を徴収する側の国の事情による処罰なのである。
そうである以上、脱税による摘発・処罰の対象は、結果的に所得の申告が過少だったという「申告漏れ」ではなく、所得を過少に申告して税を免れようとして意図的に脱税したことが客観的に明らかな場合に限定されなければならない。その点の立証に些かなりと疑念がある場合に起訴を行うことは許されない。
ところが、本件について、八田氏は、脱税の意図は全くなかったと一貫して主張し、それを裏付ける十分な証拠があるのに、東京地検特捜部は、八田氏の弁解を無視して、起訴を行った。
なぜ、検察官が、そのような不当な判断を行ったのか、その背景には、いくつかの特異な事情があったことを想定することができる。

まず、本件告発が行われた2009年12月 22日頃、東京地検の税務事件担当である特捜部が置かれていた状況である。
佐久間達哉特捜部長率いる東京地検特捜部は、2009年3月に、西松建設事件で、当時民主党代表であった小沢一郎氏の秘書を同氏の資金管理団体陸山会にかかる2100万円の政治資金収支報告書虚偽記載の事件で逮捕・起訴し、同年5月に小沢氏を代表辞任に追い込んだ。同事件の捜査については、政権交代の可能性のある総選挙を控えた時期に、従来の基準からは考えられない軽微な違反を立件し強制捜査を行ったことから、検察の政治介入ではないかとの批判があり、検察内部でも、軽微な事件で重大な政治的影響を与えた同事件は、特捜部の重大な失態とされていた。
その後、同年8月末の衆議院議員総選挙で民主党が圧勝し、同党を中心とする連立政権が誕生し、小沢氏が政権与党の民主党の幹事長に就任した。特捜部は、その頃から、小沢氏に政治的ダメージを与えるとともに、西松建設事件の失敗捜査の汚名を晴らすべく、陸山会の世田谷区の土地の取得にかかる政治資金収支報告書虚偽記入事件の内偵捜査を進め、翌2010年1月15日には、現職衆議院議員の石川知裕氏を含む小沢氏の秘書・元秘書3人を同事件で逮捕し、さらに、小沢氏の起訴をめざして、同氏の取調べを行うなどした結果、同年2月4日に、秘書ら3人を公判請求し、小沢氏を不起訴処分にするに至った。
本件告発が行われた2009年12月下旬というのは、このような陸山会事件の捜査が、新聞等でも報道され、内偵捜査は最終段階を迎え、東京地検特捜部が、組織を挙げて、捜査に取り組んでいた時期である。
このような時期に行われたのが本件告発であり、その直前に、検察と国税局との間で「告発要否勘案協議会」が開かれ、そこで、特捜部として、告発を了承する判断が行われたのだ。
なぜ、そのような慌ただしい時期に、告発が行われたのか。なぜ、検察がそれを了承したのか。そこには、当時の佐久間特捜部が置かれていた事情が関係していると考えざるを得ない。
世田谷の不動産取得をめぐる4億円の裏金がゼネコンからの裏献金であることを解明し、小沢氏を起訴して、その政治生命を断つという「妄想」に取りつかれていた特捜部にとっては、国税局との緊密な連携・協力関係を維持することは不可欠だった。そのような状況において、国税局幹部からの、本件の告発を何とかして受けてもらいたいとの強い要請を拒絶することができず、有罪判決を得る十分な見込みがない事件の告発を了承する、という異例の措置につながったのではないか。

そして、本件起訴が行われた2011年12月7日頃というのは、前年秋に、大阪地検の郵便不正事件で、村木厚子氏の無罪判決が出され、その直後に、朝日新聞のスクープで、前田検事による証拠改ざんが発覚したことで、検察が猛烈な社会からの批判にさらされ、2010年11月には、法務大臣の下に「検察の在り方検討会議」が設置されるなど、特捜捜査の在り方を中心に、検察に対する批判的な観点からの議論が盛んに行われていた時期だった。2011年2月28日には、特捜部が取り扱う身柄事件(被疑者を逮捕し又は勾留している事件)等について,起訴又は不起訴の処分を行う場合には,検事正は,あらかじめ検事長の指揮を受けなければならないとされるなど、特捜部の身柄事件に対して、従前より厳しいチェックが行われることになっていた。
一般的に、容疑事実を否認している被疑者に対しては、逮捕・勾留した上で起訴し、長期間の身柄拘束のプレッシャーにさらすことで、公判での無罪主張を封殺する、というのが、検察の常套手段である。特に、八田氏の場合は、カナダ在住で、当時は無職、起訴状の送達ができるか否かも、公判への出頭を確保できるかどうかも定かではない。そのような事件での在宅起訴は、それまでの検察の常識からは、到底考えられない。
しかし、特捜部は、結局、八田氏を逮捕・勾留せず、否認のまま在宅起訴した。
逮捕・勾留が行われなかったのは、当時の検察をめぐる状況の下では、証拠が希薄で有罪判決の十分な見込みのない中で逮捕・勾留することが、検察不祥事・特捜改革との関係で困難だったからだと考えられる。
しかしそうであれば、起訴自体を差し控えるのが当然だ。ところが、そこには、国税当局と検察との間の、かねてからの深い関係があり、「告発要否勘案協議会において検察官が了承した上で国税局が告発した事件について、不起訴にすることは許されない」という「不文律」があった。東京地検特捜部は、有罪判決を得る見込みがほとんどないことを承知の上で起訴する、という「暴挙」に出ざるを得なかった。

そして、本件に関して、違法性・不当性が最も明白で、正当化する余地が全くない、検察の「暴挙」が、一審の無罪判決に対して検察官が控訴を申し立てたことである。
一審で無罪判決を受けた被告人に対して、検察官が控訴を行うことは、米国では許されていない。我が国でも、「無罪判決に対する検察官控訴は許すべきではない」との意見が、かねてから強く主張されてきた。検察においても、検察官側からの控訴は、控訴審で新たな証拠を請求し、採用される可能性がある場合に限定するという「不文律」を守ってきた。
少なくとも、同じ証拠関係の下で、控訴審裁判官に、一審判決とは異なった判断をしてもらうために控訴するというのは、検察に都合の良い裁判官の判断を漁るということに他ならない。不当な有罪判決を言い渡した裁判に対する救済のために被告人の側が控訴するのは当然だが、国の側に、一審の無罪判決を覆す裁判所の判断を求めるためだけの控訴が認められるべきではないのは、これもまた当然なのである。
ところが、新証拠を請求できる見通しは全くなく、一審無罪判決を覆せる可能性も全くなかった八田氏の事件で、検察は控訴した。

何故に、明白に違法な控訴が行われたのか。前記のとおり、八田氏が、有罪を得る見込みがほとんどないのに公判請求されたのと同様に、国税当局と検察とのかねてからの深い関係があったために、告発要否勘案協議会において検察官が了承した上で国税局が告発した事件について、検察が、無罪判決の裁判所の判断を受け入れて確定させることができない、という「不文律」があったからとしか考えられない。

検察官は、単に都合の良い裁判官の判断を求めるだけの検察官控訴は行わないという「不文律」には敢えて従わず、国税と検察との関係に関する「不文律」を優先したのである。
そのような検察官の「暴挙」の当然の帰結として、控訴審での検察官の証拠請求は、すべて却下され、公判は一回で結審、控訴棄却の判決が言い渡された。その判決では、一審判決以上に、検察官の判断の誤りが厳しく指摘されている。

本件の告発・起訴・控訴という3つの違法行為によって、一市民である八田氏は職を失い、長期間にわたって、能力・適性を生かせる仕事につく機会が奪われ、多大な損害を被った。
それらの違法行為は、検察と国税との告発要否勘案協議会等を通じた「不透明な関係と癒着」を背景として、西松建設事件、陸山会事件という「特捜検察の暴走」の大きな流れによって巻き起こされ、現実化した、検察という権力の「もう一つの暴走」である。
今週の日曜日から始まったWOWOWの連続ドラマWシリーズ「トクソウ」(原作「司法記者」由良秀之)では、殺人事件の真相が明らかになるにつれ、「政界捜査における特捜部の暴走」が明らかになる。
八田氏の事件をめぐる特捜検察の暴走の原因とその問題点は、今回の国家賠償請求訴訟の審理の中で、明らかになっていくだろう。

八田氏は、今回の訴訟で賠償金を得ることができたら、個人の懐に入れるのではなく、刑事司法改革の基金を作り、国家権力に狙われた市民が、八田氏のような冤罪に苦しむことのない刑事司法の実現に貢献したいと言っている。
一市民を踏み潰そうとする国税・検察と真っ向から渡り合い、刑事事件の捜査・公判に完全勝利した八田氏の“正義のリベンジ”が、これから始まる。
「やられたらやり返す!倍返しだ!!」

引用:八田隆氏が国家賠償請求訴訟で挑む「検察への『倍返し』」 | 郷原信郎が斬る

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— 非常上告-最高検察庁御中_ツイッター (@s_hirono) 2014, 5月 16

誰にとっても無益な裁判が、これ以上引き延ばされないことは、喜ばしい。しかし、釈然としないのは、検察やメディアの対応である。/ジャーナリスト江川紹子

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江川 紹子 | ジャーナリスト
2014年2月15日 15時31分

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国税当局が告発し、特捜検察が起訴した事件として初めて、1審控訴審ともに無罪判決が出ていた八田隆さんに対し、東京高検は14日に上告断念を発表。八田さんの無罪は確定した。

誰にとっても無益な裁判が、これ以上引き延ばされないことは、喜ばしい。

しかし、釈然としないのは、検察やメディアの対応である。
上告断念でも呼び捨て
上告せずの高検発表上告せずの高検発表

東京高検が発表した「次席検事コメント」は左の写真のような代物。タイトルは「八田隆に対する所得税法違反事件」だ。裁判所に新たな証拠を提出することも認めてもらえないほどの無謀な控訴をし、一審よりさらに踏み込んだ無罪判決が出た事件である。謝罪があってしかるべきところを、なお「八田隆」と呼び捨てる、高飛車な”お上感覚”には唖然とする。
名誉回復に鈍感すぎる報道

多くの新聞は、この結果を報じたが、ほとんどがベタ記事か活字の小さい短信扱い。理解できないのは、朝日新聞、東京新聞、日経新聞、共同通信が、八田氏の名前を匿名としていたことだ。告発、起訴などを実名で報じたからには、その人に対する刑事訴追は無罪が確定して終わったことは、名前を明らかにして伝え、名誉回復を図るべきではないだろうか。ましてや八田氏は、匿名報道を望んではいないのだ。
匿名で無罪確定を報じる朝日、日経、東京新聞(左上から時計回りで)匿名で無罪確定を報じる朝日、日経、東京新聞(左上から時計回りで)

共同通信の場合、八田氏が告発された時に、50行近い記事を配信した。「国税局は悪質な所得隠しと認定」としたうえで、「八田元部長は国内に住んでいたが、強制調査(査察)に乗り出した国税局が告発する前にカナダに出国した」など、あたかも告発逃れのために移住したような印象を与える記述もあった。さらに、起訴時には英文の記事も配信している。その影響で、八田氏は海外で決まっていた再就職を取り消された。ならば、2度にわたる無罪判決と今回の無罪確定も、英文記事できちんと報じるべきだろう。検索してみても、無罪判決や無罪確定を英文で配信した記事は見つからなかった。このままでは、国際社会の中では八田氏はいつまでも脱税犯のままだ。

無罪確定の記事を掲載しなかった毎日新聞の対応は、論外と言うほかない。同紙電子版で八田氏の名前で検索してみても、無罪確定の記事は出てこない。無罪判決は、大きな節目ではあっても、刑事事件としてはまだ途中経過。起訴を報じた事件で、無罪確定が発表されたのに、きちんと結末を報じないのは無責任のそしりを免れない。

マスメディアは、報道された者の名誉回復に鈍感すぎる。逮捕や起訴などでの実名報道を続けていくからには、今回のように無罪となった場合は、判決時、そして確定時と、手厚く名誉回復の報道をしていくべきだ。
国税も検察もなぜ立ち止まらなかったのか

それにしても、国税当局や検察当局は、なぜ、もっと早くに立ち止まることができなかったのだろうか。

この事件は、八田氏がかつて勤めていたクレディ・スイス証券の日本法人で起きた、集団申告漏れだ。税務調査の対象となった約300人が自社株やストックオプションで受け取った賞与を正しく申告しておらず、約100人が無申告だった。同社では、現金で支給される給与は源泉徴収されていたため、賞与についても源泉徴収されていると思い込んでいた社員がこれだけいたのだ。税務当局は、それぞれに修正申告をさせ、会社を指導して複雑でわかりにくい仕組みを改めさせれば、それでよかったのだ。そうすれば、八田さんは今も、国際的な金融マンとして大いに活躍し、毎年億単位の納税をしていただろう。
高裁判決を受けて満面の笑みの八田さん高裁判決を受けて満面の笑みの八田さん

にもかかわらず国税当局は、八田氏1人に、脱税の故意があったと決めつけ、告発した。これによって、八田氏は職を失い、国は1人の高額納税者を失った。1人の人間の人生を狂わせると共に、貴重な財源を潰した国税当局の責任は大きい。

東京地検は、十分証拠の精査をすれば、不起訴の選択ができたはずなのに、無理やり起訴。一審で無罪判決を受けた後も、冷静に考えれば、控訴しない道を選べたはずなのに、あえて控訴した。このため、八田氏は捜査や裁判に4年もの間、縛り付けられることになった。

何度も立ち止まる機会はあったのに、国税当局も検察当局も、それをしなかった。いったい、それはなぜなのか。なぜ、適切な判断ができなかったのか。

八田氏が、それを知りたいと思うのは当然だろう。しかし、冒頭に書いたような検察の対応では、検察自身がそれを検証し、八田氏の疑問に答えると共に、教訓として後に生かしていく、ということも期待できそうにもない。
国賠訴訟を起こすにも負担が…

この問いに対する答えを探すため、八田氏は、国家賠償訴訟を起こすことを考えている。今のところ、それしか道がないからだ。

同じような思いで、大阪地検特捜部に逮捕・起訴された村木厚子さんが起こした国賠訴訟は、国側が3770万円の賠償請求を受け入れる「認諾」をしたために、真相解明という点では不発に終わってしまった。八田氏の裁判は、国がこういう姑息な手段に出られないよう、高額な請求額になるだろう。国税や検察の誤った判断によって彼が失ったものを考えても、それは当然だろう。

だが、そうなると裁判を起こすための印紙代も高額になる。たとえば3億円の裁判を起こそうとすれば、90万円以上を支払わなければならない。4億円だと120万円を超す。加えて、代理人弁護士への報酬も必要になる。

冤罪の被害者が、このような事態に自分が巻き込まれた原因を知ろうとすると、なぜ、これほどの負担を強いられるのか。

これもまた、釈然としないことの一つである。
江川 紹子

ジャーナリスト

神奈川新聞記者を経てフリーランス。司法、政治、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々です。

引用:無罪確定。されど…(江川 紹子) – 個人 – Yahoo!ニュース

虚偽調書を作成した上、署員が公判で偽証したことで審理が不当に長引き苦痛を受けたとして、

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大阪府警堺署員が公務執行妨害事件の虚偽調書を作成した上、署員が公判で偽証したことで審理が不当に長引き苦痛を受けたとして、室岡浩義被告(41)=控訴中=が18日、国と大阪府に計550万円の国家賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

 被告は「間違いを繰り返さず、警察の違法行為による被害者を生み出さないため、事実関係を明らかにする方法として訴訟を選択した」とのコメントを発表した。

引用:堺署虚偽調書で国家賠償提訴 被告「間違い繰り返すな」 – 47NEWS(よんななニュース)

堺署虚偽調書で国家賠償提訴 被告「間違い繰り返すな」 – 47NEWS/ジャーナリスト江川紹子

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堺署虚偽調書で国家賠償提訴 被告「間違い繰り返すな」 – 47NEWS(よんななニュース) http://t.co/e6xScveqMb

— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 1月 18