「時事・ニュース」カテゴリーアーカイブ

このような分析能力では、複雑さを忌避するのみならず、複雑な出来事(経済危機、戦争、国内もしくは国際政治、金融取引のスプレッド)を前にしても基本的な理解すら得ることができない。

“=========== Meta ============
“StrID : 6356
“Title : このような分析能力では、複雑さを忌避するのみならず、複雑な出来事(経済危機、戦争、国内もしくは国際政治、金融取引のスプレッド)を前にしても基本的な理解すら得ることができない。
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース
“========== Content ==========

機能的非識字者は自分で文字を書けるのだから、一見、自立しているように思える。しかし彼らは、例えば保険の約款を理解できない。新聞に掲載されている記事の意味も分からないし、文章の要点をつかんだり、感動したりすることができない。図表を読み取ることができない。したがって、自分が生きている社会の構造を解釈し、把握することができない。

このような分析能力では、複雑さを忌避するのみならず、複雑な出来事(経済危機、戦争、国内もしくは国際政治、金融取引のスプレッド)を前にしても基本的な理解すら得ることができない。

したがって、機能的非識字者は、自身の直接的経験と比較することによってのみ、世界を解釈する(例:経済危機は自身の購買力の減少でしかない。ウクライナにおける紛争は、ガスの料金が増加して初めて問題となる。税金のカットは(それが公的サーヴィスのカットにつながるとしても)正しい)。そして、長期的な結果を考慮に入れた分析を練り上げる能力をもたない。

引用:新たな「非識字者」が増えている:Facebookを読めても、現実は理解できない人たち « WIRED.jp

iPS細胞:山中所長「2000年発表論文に不正ない」 – 毎日新聞

“=========== Meta ============
“StrID : 6160
“Title : iPS細胞:山中所長「2000年発表論文に不正ない」 – 毎日新聞
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース
“========== Content ==========

毎日新聞 2014年04月28日 21時04分(最終更新 04月28日 22時43分)
自身の論文に関して問題が指摘され、記者会見で厳しい表情を浮かべる京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授=京都市左京区で2014年4月28日午後5時8分、森園道子撮影
自身の論文に関して問題が指摘され、記者会見で厳しい表情を浮かべる京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授=京都市左京区で2014年4月28日午後5時8分、森園道子撮影
拡大写真
 ◇画像や図に疑問点指摘で記者会見

 京都大iPS細胞研究所は28日、ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥所長が2000年に発表した論文の画像や図に疑問点が指摘されたとして記者会見し、不正はなかったと発表した。ただ、山中所長以外の共同研究者のノートや資料は保管されておらず、山中所長の資料からも問題の画像や図の生データは発見できなかったという。山中所長は「約15年前はデータ保存の意識が十分でなく、研究者として心より反省している」と話した。

 論文は、ES細胞(胚性幹細胞)の分化で重要な役割を果たすNAT1という遺伝子を分析した内容。山中所長が奈良先端科学技術大学院大学で助教授だった時に、欧州分子生物学機構の学術誌「EMBOジャーナル」に掲載された。山中所長は「ES細胞研究を始めるきっかけになった思い入れのある論文」と説明した。

 記者会見した山中所長らによると、昨年4月、論文の画像と図の計2点についてインターネット上で疑問点が指摘されていることに気付き、森沢真輔副所長を中心に調査を開始。山中所長は実験ノート段ボール5箱分や過去の資料を提出したが、留学生ら他の共同研究者の資料は保管されていなかったという。

 指摘された疑問点は、(1)NAT1遺伝子を失ったES細胞ができたことを示す画像で、隣り合う二つのバンドが類似している点と、(2)NAT1遺伝子を失ったES細胞の性質を示した棒グラフで、一部の数値がほぼ同じなのは不自然という点。

 研究所は調査の結果、画像や図の実験は1998年ごろに山中所長と複数の共同研究者が行ったと確認できたと説明。この時のES細胞は現在も研究所で使用され、論文の内容は再現されているという。その上で、(1)については、二つのバンドは酷似しているが同一ではなく、コントラストを変えても切り張りした痕跡は認められない。(2)は、論文の図の生データは見つからなかったが、同様の実験の生データがあり、同じ傾向の結果が出ているとして、不正はなかったとした。

 山中所長は「適切でないことを行った記憶もないし、その必要性もなかった」と説明する一方、「日本の科学者の見本となる立場で、ノートの付け方などを学生に厳しく指導している私が、不十分な資料の保存をしていた。心から反省している」と話した。【畠山哲郎】

引用:iPS細胞:山中所長「2000年発表論文に不正ない」 – 毎日新聞

タイトル部分に半角コロンが含まれていたので全角コロンに変換処理しました。APIでの投稿において不具合が生じるためです。

山中教授が会見「論文内容は正しい」 元画像はなく謝罪:朝日新聞デジタル

“=========== Meta ============
“StrID : 6152
“Title : 山中教授が会見「論文内容は正しい」 元画像はなく謝罪:朝日新聞デジタル
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース
“========== Content ==========

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は28日、所長の山中伸弥教授が2000年に発表した論文で、画像の疑義を指摘されて調査した結果、「画像の加工はなく、論文の内容は正しい」と公表した。ただ、画像の元データは残っておらず、山中教授は「データが自分の資料から発見できないことは研究者として、心よりおわび申し上げる」と謝罪した。

 調査の対象になったのは、山中教授が筆頭筆者として欧州の分子生物学専門誌EMBO誌に発表した論文。掲載当時は、奈良先端科学技術大学院大学の助教授だった。

 CiRAによると、昨年4月ごろ、インターネット上のサイトで、遺伝子を解析した画像の中に酷似する部分があることや、グラフの形が不自然に整いすぎていると指摘された。

引用:山中教授が会見「論文内容は正しい」 元画像はなく謝罪:朝日新聞デジタル

パワハラ原因の自殺と賠償命じる 備前の社会福祉法人に岡山地裁

“=========== Meta ============
“StrID : 6059
“Title : パワハラ原因の自殺と賠償命じる 備前の社会福祉法人に岡山地裁
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース,パワハラ,損害賠償,労働問題,安全配慮義務
“========== Content ==========

備前市の高齢者施設に勤めていた介護員男性=当時(42)=がうつ病になり自殺したのはパワーハラスメントが原因で業務上の死亡に当たるとして、遺族=岡山県和気郡=が、施設を運営する社会福祉法人・備前市社会福祉事業団に5千万円の損害賠償、遺族補償年金などを不支給とした和気労基署の決定取り消しを国に求めた訴訟で、岡山地裁は23日、請求通りの支払いと取り消しを命じた。

 判決理由で古田孝夫裁判長は「男性は同僚の厳しい指導や叱責(しっせき)の繰り返しで精神的に落ち込み、2007年4月ごろ発病した」とし、「業務以外に発病をうかがわせる事情はなく、病気により自殺したと推定できる」と因果関係を認定。「施設管理者は配置転換などの対策を取らなかった」として、安全配慮義務違反を認めた。

 労基署の決定については「業務上の死亡に当たらないとした処分は違法」とした。

 判決では、男性は03年から利用者の送迎や介助などを担当し、07年9月に自殺。遺族は労災保険法に基づく遺族補償年金や葬祭料などの支給を求めたが、和気労基署は10年8月、不支給とした。

 備前市社会福祉事業団、厚生労働省、和気労基署は「判決内容を確認し、関係機関と協議の上、今後の対応を検討したい」とコメントした。

(2014/4/23 21:02)

引用:パワハラ原因の自殺と賠償命じる 備前の社会福祉法人に岡山地裁 – 山陽新聞ニュース

韓国、修学旅行を全面禁止 沈没事故死者87人に (朝日新聞デジタル) -Yahoo!ニュース

“=========== Meta ============
“StrID : 6039
“Title : 韓国、修学旅行を全面禁止 沈没事故死者87人に (朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース
“========== Content ==========

朝日新聞デジタル 4月22日(火)0時18分配信

 韓国南西部・珍島(チンド)付近で沈没したセウォル号に多くの修学旅行中の高校生が乗っていたことを受け、韓国教育省は21日、全国の小・中・高校の修学旅行を1学期(3~7月)の間、全面的に禁止する措置をとった。船内捜索は続けられ、22日午前1時現在、事故による死者は87人、安否不明者は215人となった。(ソウル=貝瀬秋彦)

朝日新聞社

引用:韓国、修学旅行を全面禁止 沈没事故死者87人に (朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

韓国、修学旅行を全面禁止 沈没事故死者87人に

“=========== Meta ============
“StrID : 6037
“Title : 韓国、修学旅行を全面禁止 沈没事故死者87人に
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース
“========== Content ==========

韓国南西部・珍島(チンド)付近で沈没したセウォル号に多くの修学旅行中の高校生が乗っていたことを受け、韓国教育省は21日、全国の小・中・高校の修学旅行を1学期(3~7月)の間、全面的に禁止する措置をとった。船内捜索は続けられ、22日午前1時現在、事故による死者は87人、安否不明者は215人となった。(ソウル=貝瀬秋彦)(朝日新聞デジタル)

引用:韓国 – Yahoo!ニュース

全員実名で告発! 袴田巌さんの罪をデッチあげた刑事・検事・裁判官

“=========== Meta ============
“StrID : 5927
“Title : 全員実名で告発! 袴田巌さんの罪をデッチあげた刑事・検事・裁判官
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース,刑事裁判,裁判官,冤罪,週刊現代,袴田事件
“========== Content ==========

埋もれた証拠 ~“袴田事件”当事者たちの告白~

“=========== Meta ============
“StrID : 5742
“Title : 埋もれた証拠 ~“袴田事件”当事者たちの告白~
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース,NHK,クローズアップ現代,袴田事件,Picasaウェブアルバム
“========== Content ==========

埋もれた証拠 
~“袴田事件”当事者たちの告白~

twitter
facebook
mixi
share
help
notice

視聴率 10.8%
株式会社ビデオリサーチ世帯視聴率(関東地区)
ジャンル 国際 社会問題 事件・事故
 
09:42
放送の一部をご覧いただけます。
 
出演者 木谷 明 さん (元裁判官)
昭和41年、静岡県清水市で、みそ会社専務一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」。先週、再審を認める決定が出され、死刑が確定していた袴田巌さん(78)が、東京拘置所から釈放された。身柄拘束の期間は半世紀近く、実に48年に上る。「捜査機関が証拠をねつ造した疑い」「耐えがたいほど正義に反する」。静岡地裁は、無実の人を国家が陥れた可能性にまで言及し、異例の強い表現で捜査当局や追認してきた裁判所を批判した。ねつ造疑惑まで指摘された当時の捜査は、何が問題だったのか。なぜ決め手となる証拠は長年、表に出てこなかったのか。捜査や裁判に関わった警察官、検察官、裁判官など当事者を徹底取材し、袴田事件が浮き彫りにする「日本の刑事司法の課題」を検証する。
NHKオンデマンド

引用:埋もれた証拠  – NHK クローズアップ現代

送信者 社会・世相・時代の参考情報/刑事弁護・再審

裁判の公開はもともと、『密室裁判を許さない』という意味、適正手続きを保障するという観点から、すべてオープンにして主権者である国民に監視させるための仕組み

“=========== Meta ============
“StrID : 5109
“Title : 裁判の公開はもともと、『密室裁判を許さない』という意味、適正手続きを保障するという観点から、すべてオープンにして主権者である国民に監視させるための仕組み
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース,刑事裁判,公開,プライバシー,元裁判官
“========== Content ==========

米提供のプルトニウム返還へ
国内トピックス V

震災関連死 増え続ける背景NEW
全身やけど 被害20年の生活苦写真
竹崎最高裁長官、途中退官へ写真NEW
木嶋被告 拘置所ブログを開設NEW
日本 化学兵器全廃へ14億円
婚活で住宅購入「無効」提訴動画
米提供のプルトニウム返還へ
子供の自殺 学校が全件調査へ

もっと見る

国内

政治
社会

「裁判の公開」は十分か? 法廷で「撮影」「録音」が認められない理由を考える

弁護士ドットコム 2月24日(月)19時6分配信
「裁判の公開」は十分か? 法廷で「撮影」「録音」が認められない理由を考える

海外では、裁判の様子がテレビ中継されることもある

「録音や撮影はできません。疑わしいことがあれば、法廷の外に出ていただきます」。オウム真理教元幹部・平田信被告人の公判の冒頭、東京地裁の斎藤啓昭裁判長は傍聴席に向けて、このように注意をうながした。

日本では、法廷内での撮影や録音は、裁判長の許可を得なければできない。報道によると今回、東京地裁の斎藤裁判長が改めて注意した背景には、昨年10月に東京高裁で開かれた裁判の模様が無断で動画撮影され、インターネットに投稿されたことがあるという。

だが、そもそも「裁判の公開」は憲法で保障されており、原則として、誰でも法廷の傍聴が可能だ。法廷の模様を動画で撮影してネット公開することは、より多くの人に裁判の内容を知らせるという点で、裁判の公開の趣旨にかなっているとも思える。

アメリカでは、裁判の様子がテレビ中継されることも珍しくない。なぜ日本では、裁判の撮影や録音が厳しく制限されているのだろうか。一般の人々の司法参加をうながすのであれば、もっと裁判を開かれたものにしていくべきではないか。裁判の公開のあり方について、元裁判官の春田久美子弁護士に聞いた。

●法廷内のビデオ撮影には「細かい決まり」がたくさん

「『裁判の公開』と聞いて、すぐに頭に浮かぶのは『傍聴の自由』でしょうか。法廷という空間のドアは誰に向かっても等しく開かれており、出入り自由なのが原則です。

ただ、録画は制限されていて、法廷内のビデオカメラ取材ができるようになったのも平成の時代になってから。撮影は、1991年1月1日にできた『法廷内カメラ取材の標準的な運用基準』に基づいて行われています。

細かい決まりがたくさんあって、たとえば、カメラを回すタイミングは『裁判官の入廷開始時から裁判官全員の着席後開廷宣告前の間の2分以内』となっています。

『撮影を始めて下さい』という裁判所職員のかけ声でカメラ(代表取材なので一社)が回り始め、『撮影を止めて下さい』で終了。職員はストップウォッチできっちり時間を計っていて、『あと10秒です』などと、合図もします」

春田弁護士はかつて、裁判官として撮影される側だった。

「法壇の上にいると、じっと撮影されている『2分』は結構長く感じられ、私は、裁判官時代、『視線をどうしたらいいのかな』『表情はどうしたらいいのかな(やはり笑顔はダメなのだろうか……)』などと考えながら、撮られていました。

ただ、刑事裁判は開廷宣言で始まりますので、この法廷内カメラ取材は、厳密に言えば『刑事裁判そのものの取材・映像ではない』ことになります」

●撮影や録音はなぜ「ダメ」なのか?

「撮影や録音ができない理由としては、『証人や被告人が精神的プレッシャーを感じ、自由に喋ることができなくなってしまうから』とか『プライバシ-が損なわれるから』などと、説明されることが多いですね。

ですが、たとえば無罪を訴えている被告人は、もしかすると自分の言い分も含めて、刑事裁判が実際にどのように進められているかをたくさんの人に知ってもらいたい、と思うかもしれません。

そもそも法廷はプライベートな空間といえるのか、『裁判の公開のあり方』は、そこまでさかのぼって考えるべき問題だと思います」

今後、「裁判の公開」は、どう変わっていくのだろうか。

「裁判の公開はもともと、『密室裁判を許さない』という意味、適正手続き(due process of law)を保障するという観点から、すべてオープンにして主権者である国民に監視させるための仕組みです。

インターネット時代の今、法廷にいない人に対して、裁判がいったいどのように行われているのかをリアルタイムで知らせる方法やツール自体は、ますます増えています。

裁判の適正さをアピールするために、中国の薄熙来(はく・きらい)元中央政治局委員の裁判がマイクロブログで海外メディアに公開されたのは、裁判の公正さと透明性をアピールするためだったという話題も、頭をよぎります。

裁判の公開が、法廷のドアを開けているだけで『足りる』のか、国民全体で議論する時代が到来したということではないでしょうか。今回の出来事は、裁判の公開のあり方について、議論が盛り上がる一つのきっかけになったと考えます」

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
春田 久美子(はるた・くみこ)弁護士
OLから裁判官に転身し、弁護士を開業(福岡県弁護士会)。本業の傍ら、小中高校生や大学生などの教室に出向いて行う〈法教育〉の実践&普及に魅力を感じている。2010年、法務省・法教育懸賞論文で優秀賞、2011年は「法教育推進協議会賞」受賞。NHK福岡のTV番組(法律コーナー)のレギュラーを担当。
事務所名:福岡エクレール法律事務所

弁護士ドットコム トピックス編集部

引用:「裁判の公開」は十分か? 法廷で「撮影」「録音」が認められない理由を考える (弁護士ドットコム) – Yahoo!ニュース

人生で二人の罪無き命を奪った男。獄中でさまざまな人々と出会い「他人を思う心」を知ったという男。幼子の成長に目を細め「生きたい」と願い始めた男が死んだ。死刑確定から五年十カ月。

“=========== Meta ============
“StrID : 5034
“Title : 人生で二人の罪無き命を奪った男。獄中でさまざまな人々と出会い「他人を思う心」を知ったという男。幼子の成長に目を細め「生きたい」と願い始めた男が死んだ。死刑確定から五年十カ月。
“Cats : 社会・世相・時代の参考情報
“Tags : 時事・ニュース
“========== Content ==========

二〇一三年二月二十一日。加納恵喜(けいき)は前年末に移った名古屋拘置所西館八階の八二九号房でその朝を迎えた。いつも通り午前七時半に朝食。麦飯にみそ汁、おかず三品のメニューもふだんと変わりはない。およそ一時間後、刑務官に呼び出されるまで、恵喜はきょうも平穏にすぎると思っていたことだろう。

 西館八階からエレベーターで二階へ。渡り廊下を東館へ向かい、その先の階段を下りると所内で「開かずの扉」とも呼ばれる、地下の刑場へ続く扉がある。

 偶然だが、入所者の一人がその日、四、五人の刑務官に囲まれ、渡り廊下を歩く恵喜を目にしている。「どけっ、後ろを向け」。刑務官に怒鳴られながら、その入所者が垣間見た恵喜は暴れるでもなく、おとなしい様子だったという。開かずの扉からは、刑場に焚(た)かれる線香らしき香りがうっすらと漏れていた。

 名古屋拘置所の関係者によると、恵喜は最期までひどく取り乱しはしなかったらしい。ならば執行はこんなふうに進んだはずだ。

 目には布の目隠し。後ろ手に手錠をされ、一メートル四方の踏み板に乗る。ナイロンでできた直径三センチのロープを首にかけられる。刑場の隣の小部屋には板を開くためのボタンが三つ、刑務官が三人。誰のボタンが開けたのか、分からぬよう、三人がいっせいに押す。

 体は四、五メートル下まで落ち、人によって表現は違うが「ダンッ」や「ドンッ」とロープが張る音がする。吊(つ)り下がったまま、医師が心停止を確認し、さらに五分ほど置いて、ようやくロープから外される。

 もし、執行の日が来たら…。恵喜は面会や手紙のやりとりを続けてきた市原信太郎一家への手紙にこう記したことがある。「死刑がつらくて泣くのではありません。別れがつらくて泣くでしょう」

 最期のとき、恵喜が泣いたかどうかは分からない。

 拘置所関係者によると、恵喜は「死を待ち続ける生活に疲れました」と言い残した。養子縁組した母、真智子(仮名)が生前差し入れてくれたお金がまだ幾らか。市原一家の一人娘、むうちゃんへ、ランドセル代三万円を渡してほしいとも遺言したという。

 人生で二人の罪無き命を奪った男。獄中でさまざまな人々と出会い「他人を思う心」を知ったという男。幼子の成長に目を細め「生きたい」と願い始めた男が死んだ。死刑確定から五年十カ月。六十二歳だった。

 (この連載は近く再開します)

 (敬称略)

引用:東京新聞:迎えた最期のとき:二月二十一日 ある死刑囚の記録:特集・連載(TOKYO Web)