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司法に関する諸悪の根源は裁判所にあり/ジャーナリスト江川紹子

えん罪事件の再審に背を向ける司法 名張毒ぶどう酒事件/猪野亨弁護士

えん罪事件である名張毒ぶどう酒事件。
 2005年4月に名古屋地裁で再審開始決定が出てから既に8年が経過、最高裁が再審開始決定を取り消した名古屋高裁の取消決定を是認しました。
「名張毒ぶどう酒事件第7次再審請求第2次特別抗告審決定についての会長声明」(日弁連2013年10月18日)

 最高裁のこの間の姿勢は一貫しており、高齢となった再審請求者が死亡するのを待っているという姿勢がありありです。

 少なくとも現在の視点において名張毒ぶどう酒事件をどのように裁判がなされるべきなのかどうかが正面から問われています。
 本来、再審請求の場合には一度、なされた裁判を覆すということから、新たな証拠が必要とされています。その新たな証拠とそれまでの証拠を評価し、疑わしきは罰せずの原則を当てはめるということになります。
 しかし、それが正当化できるためには、前提として最初の裁判がまともに行われていたということが言えなければなりません。
 自白偏重の無理矢理、有罪にしてしまったような裁判を前提に「新証拠」を要求するのは問題外だということです。
 過去に起きたえん罪事件の構造は、無理矢理、自白させ、捜査機関によって作文された自白調書によって「有罪」とするのがお決まりパターンでした。
 「自白」に依拠するということは物証を得られないことの裏返しなのですが、これが非常に恐ろしいということなのです。
 捜査機関による思い込みだけで終われば、まだいいのですが、裁判所までがそれを是認してしまうことがさらにこの恐ろしさを増幅させます。
 現在、名張毒ぶどう酒事件のような証拠構造(自白偏重)で起訴された場合、十中八九、無罪判決となるでしょう。無罪でなければおかしいのです。あるいは起訴もできないかもしれません。
 今回の再審請求も現代の視点では到底、有罪にできないものについてまで門戸を閉ざすことの是非が問われているということを知るべきです。
 それを未だに最高裁は、「合理的な科学的根拠のある鑑定を基にしており、自白の信用性も揺るがない。高裁判断は正当」と自白偏重を追認しています。

 古い時代の刑事手続きだから仕方ない?
 そんなことを言ったらもっと前の事件も同じように「無罪」にする?

 今、生きている人の救済が考えられないようではダメです。決して古い時代の刑事手続きではありません。
 少なくとも日本国憲法下で起きた事件で、この放置は悪行です。

 先日、帝銀事件の元死刑囚の養子である方が亡くなっため再審請求を引き継げなくなったと報道されていました。この帝銀事件はこのまま闇に葬られようとしています。
 戦後に起きたえん罪事件が放置されたまま、刑事裁判は次にどこに行こうとしているのか、刑事訴訟手続きが「改善」されてきたとはいえ、まだまだ発展途上にある中で、過去の手続きへの姿勢が問われているのです。

 その意味では姿勢が問われているのは裁判所だけはありません。検察庁、法務省にも向けられているのです。
 検察官は「有罪」維持で頑張ればいいというものではありません。検察官は公益の代表とされているのであり、有罪屋ではないのですから、適正な刑罰になっているかどうかの検証が必要です。
 戦後のえん罪事件を見る限り、裁判所だけの問題ではなく、検察庁(法務省)の問題でもあることは明白です。
 現行法上、再審請求できるのは特定の遺族に限るという制度もどうかと思いますが、他方で検察官も再審請求をできると規定されているのです。
 少なくとも検察官は有罪判決に耐えうる証拠がないような事件については再審請求をすべき職責があると言えます。
 検察官が名張毒ぶどう酒事件や帝銀事件などを本気で「有罪」と思い込んでいるとしたら、それもまたひどい病理だと思います。

軍法会議はえん罪だらけだったでしょうね。
「死刑という国民動員への脅迫 石破茂自民党幹事長」

引用:えん罪事件の再審に背を向ける司法 名張毒ぶどう酒事件

このままでは、刑事訴訟手続きの公平性に対する信頼を失墜させていると言わざるを得えないでしょう/猪野亨弁護士

裁判員の精神的負担をめぐる問題で、愛媛県の松山地裁が、傷害致死事件の公判で「遺体の写真」を提示する予定があると裁判員候補者に説明したところ、2人が不安を訴えたため、辞退が認められていたことが明らかになった。

裁判員の精神的負担については、元裁判員の女性が今年5月、事件被害者の遺体写真を見たことで急性ストレス障害になったとして国賠訴訟を起こし、注目を集めた。7月には東京地裁が、裁判員選任手続きの際に遺体写真などの証拠について予告し、候補者が不安を訴えた場合には辞退を柔軟に認めることを申し合わせていた。

この東京地裁の運用方針を参考にするよう、最高裁が各地裁に通知したため、全国でも同様の運用が始まるとみられていた。ネットでは「これでは誰も裁判員をやらなくなる」といった声も出ているが……。裁判員制度に疑問符を投げかけている猪野亨弁護士に意見を聞いた。

●裁判員になる人が偏り、制度の根幹が崩れる

「現在の裁判員制度では、裁判員になることは国民の義務とされています。刑事裁判の中で示される種々の書証を見ることも『当然の前提』です。もちろん書証の中には、遺体の写真などショッキングな内容も含まれています。

しかし現実に、裁判員が急性ストレス障害を発症したということになると、今後は単純に『義務だからやれ』『ちゃんと証拠を見ろ』というわけにはいかなくなるでしょう」

――生々しい写真を直接見なくても済むようにするなど、負担軽減策も話し合われているようだが?

「だからといって白黒やイラストなどにしてしまえば、『証拠を見ないで裁判の評議、評決に関与する』ということになってしまいます。それは刑事裁判にとって、非常に大きな問題でしょう」

――そこで「見たくない人には辞退を認める」という話になってきたのでは?

「ところが、そもそも裁判員の辞退は、以前からかなり広く認める運用がなされています。2012年度は事前辞退の57.3%が認められています。

裁判員制度は広く無作為に裁判員を抽出し、一般人の意見をくみ取ることに目的があったのですから、こんなに広く辞退を認めてしまえば、制度の根幹を崩すことになります」

――裁判員に偏りが生じるということ?

「そうですね。積極的に裁判員になりたいという人は、実はかなり限られています。最高裁が2013年1月に行った意識調査では、『参加したい』という人は4.7%、『参加しても良い』は10.2%にしか過ぎませんでした。

逆に裁判員をやりたくないという声は圧倒的多数で、41.9%が『あまり参加したくない』、同じく41.9%が『義務であっても参加したくない』と回答しています」

――つまりは?

「積極的に裁判員になりたい層は、そもそも一部に過ぎないということです。大多数が辞退し、そういう人たちばかりが……たとえば『犯罪現場の写真を見たい人(見ても構わない人)』ばかりが裁判員になるという制度で、一般人の意見をくみ取るという目的は達成できるのでしょうか」

――裁判員になりたくないという人がこれほど多いとは……。なぜこんなことに?

「刑事裁判に裁判員を関与させることに無理があったばかりでなく、国民的な合意もないまま、この制度を強引に始めたことが、このような矛盾を引き起こしたと言えます。

このままでは、刑事訴訟手続きの公平性に対する信頼を失墜させていると言わざるを得えないでしょう」

確かに、意識調査に対して4割を超える人々が「義務であっても参加したくない」と回答するようでは、制度はピンチと言えるだろう。運用5年目に入った裁判員制度だが、乗り越えなくてはならない課題はまだまだ数多く残っているようだ。

(弁護士ドットコム トピックス)
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【取材協力弁護士】

猪野 亨(いの・とおる)弁護士
今時の司法「改革」、弁護士人口激増、法科大学院制度、裁判員制度のすべてに反対する活動をしている。日々、ブログで政治的な意見を発信している。
事務所名: いの法律事務所

引用:「遺体写真見たくない」で辞退容認 「裁判員裁判」の根幹が揺らいでいる?|弁護士ドットコムトピックス

とにかく捕まった以上は、ほぼ100%有罪になることを覚悟し、グレーの決着を目指すべきです。/弁護士野澤隆-プレジデントオンライン

■99%有罪!正義などない

万が一、電車で痴漢をしていないにもかかわらず、痴漢をしたと糾弾されたとき、どうすればよいのでしょうか。

あくまで私見になりますが、一番おすすめできないのは、公開の法廷の場で徹底的に無罪を主張して戦うことです。あなたは、有罪率99%とも言われる裁判で「絶対に痴漢をしていない証拠」を示す必要があります。また、起訴後も身柄拘束されているとなれば、裁判の結果が出るまでの長期間、会社勤めもできず、社会的に抹殺されてしまうことも多いのです。冤罪が証明されると大々的に報道されることも多々あるので、戦ったほうがいいと思っている人もいますが、痴漢冤罪に関して、正義はないと考えてください。

では、どうすればよいか。

まず、確率論から導き出される合理的な結論の1つに「その場から走って逃げる」というものがあります。あなたがどう抗弁しようと、自分が痴漢でないと証明するのは極めて困難です。逃げて警察に捕まる確率から考えても、その選択肢が一定の説得力を持っているのは間違いありません。

しかし、逃げられない場合はどうすればよいのでしょうか。

まずは、騒動になったその場で、感情をむき出しにして、徹底的に怒ったほうがよいでしょう。

最大のリスクは第三者による証言が出てくることです。特に利害関係もない男性が「この人、お尻を触っていました」と証言されると決定的な証拠になってしまいます。そこで、怒鳴り散らすなりしながら「俺はやっていない。何を言っているんだ、こいつ」という態度を取り続ける必要があります。この人に関わったら面倒なことが起きると考えれば、大抵の人は、ここで騒動から回避する行動を取ります。

警察官が呼ばれた段階でやってはならないことは、警察署への任意同行に最初から黙って従うことです。警察署へ行ってから容疑を否認し続けると、1週間から10日間程度拘束されることはよくあります。この間は仕事に行くことはできないので大変なことになります。会社にバレたらクビを覚悟しなければならず、ここからはギリギリの戦いが始まります。

痴漢容疑で拘束されたら、まずは弁護士を呼ぶことです。そして、弁護士から家族に連絡してもらい、家族から会社に「急病で倒れたので、有休を使わせていただくようお願いします」と手配します。同僚から「お見舞いに行きたいので入院先を教えてくれ」などと言われても、家族を通じ「絶対安静、面会できない」などと話してもらい、上手にお茶を濁します。

そして、逮捕から10日程度以内に、被害者に連絡を取って事件の解決を図ります。これを過ぎると有休を使い果たしてしまい、会社にバレる可能性が高まります。ここで無駄に完全否認の形を取り続けると、逃亡または罪証隠滅の恐れがあるということで、最大で23日間も拘束されてしまいます。

冤罪事件であるにもかかわらず、なぜ示談する必要があるのかにつき依頼者である被疑者としては釈然としない点が多いのは理解したうえで、依頼者に認めさせる内容は「意図的に触ったのではなく、あくまでも触れただけ」とすることがポイントです。つまり、故意のわいせつ罪ではなく、あくまでも「過失に基づく損害賠償」の形で事件を終わらせるのです。そして、被害者とやり取りする書類上は単に「損害賠償金○○万円」とし、被害者の方に「寛大な処分でかまわない」という旨の記載がある書類にサインをしてもらいます。被害者も最初のうちは怒っていますが、最後はお金で折り合いをつけようとする方も多いのです。こうして示談を成立させ、担当検事に「玉虫色だけど、示談が成立したし、故意のわいせつ罪で無駄に法廷で争われるより不起訴処分のほうが楽だよ」という形で処理させるのです。

とにかく捕まった以上は、ほぼ100%有罪になることを覚悟し、グレーの決着を目指すべきです。私の知る限りでも多くの人が、痴漢で捕まっても会社にバレずに通常の市民生活に戻っています。

(弁護士 野澤 隆 構成=渡瀬裕哉 撮影=坂本道浩)

引用:痴漢冤罪「この人です!」と騒がれたら、まず何をするか(プレジデントオンライン) – ライフ – livedoor ニュース

痴漢容疑で拘束されたら、まずは弁護士を呼ぶことです。そして、弁護士から家族に連絡してもらい、家族から会社に/弁護士野澤隆-プレジデントオンライン

■99%有罪!正義などない

万が一、電車で痴漢をしていないにもかかわらず、痴漢をしたと糾弾されたとき、どうすればよいのでしょうか。

あくまで私見になりますが、一番おすすめできないのは、公開の法廷の場で徹底的に無罪を主張して戦うことです。あなたは、有罪率99%とも言われる裁判で「絶対に痴漢をしていない証拠」を示す必要があります。また、起訴後も身柄拘束されているとなれば、裁判の結果が出るまでの長期間、会社勤めもできず、社会的に抹殺されてしまうことも多いのです。冤罪が証明されると大々的に報道されることも多々あるので、戦ったほうがいいと思っている人もいますが、痴漢冤罪に関して、正義はないと考えてください。

では、どうすればよいか。

まず、確率論から導き出される合理的な結論の1つに「その場から走って逃げる」というものがあります。あなたがどう抗弁しようと、自分が痴漢でないと証明するのは極めて困難です。逃げて警察に捕まる確率から考えても、その選択肢が一定の説得力を持っているのは間違いありません。

しかし、逃げられない場合はどうすればよいのでしょうか。

まずは、騒動になったその場で、感情をむき出しにして、徹底的に怒ったほうがよいでしょう。

最大のリスクは第三者による証言が出てくることです。特に利害関係もない男性が「この人、お尻を触っていました」と証言されると決定的な証拠になってしまいます。そこで、怒鳴り散らすなりしながら「俺はやっていない。何を言っているんだ、こいつ」という態度を取り続ける必要があります。この人に関わったら面倒なことが起きると考えれば、大抵の人は、ここで騒動から回避する行動を取ります。

警察官が呼ばれた段階でやってはならないことは、警察署への任意同行に最初から黙って従うことです。警察署へ行ってから容疑を否認し続けると、1週間から10日間程度拘束されることはよくあります。この間は仕事に行くことはできないので大変なことになります。会社にバレたらクビを覚悟しなければならず、ここからはギリギリの戦いが始まります。

痴漢容疑で拘束されたら、まずは弁護士を呼ぶことです。そして、弁護士から家族に連絡してもらい、家族から会社に「急病で倒れたので、有休を使わせていただくようお願いします」と手配します。同僚から「お見舞いに行きたいので入院先を教えてくれ」などと言われても、家族を通じ「絶対安静、面会できない」などと話してもらい、上手にお茶を濁します。

そして、逮捕から10日程度以内に、被害者に連絡を取って事件の解決を図ります。これを過ぎると有休を使い果たしてしまい、会社にバレる可能性が高まります。ここで無駄に完全否認の形を取り続けると、逃亡または罪証隠滅の恐れがあるということで、最大で23日間も拘束されてしまいます。

冤罪事件であるにもかかわらず、なぜ示談する必要があるのかにつき依頼者である被疑者としては釈然としない点が多いのは理解したうえで、依頼者に認めさせる内容は「意図的に触ったのではなく、あくまでも触れただけ」とすることがポイントです。つまり、故意のわいせつ罪ではなく、あくまでも「過失に基づく損害賠償」の形で事件を終わらせるのです。そして、被害者とやり取りする書類上は単に「損害賠償金○○万円」とし、被害者の方に「寛大な処分でかまわない」という旨の記載がある書類にサインをしてもらいます。被害者も最初のうちは怒っていますが、最後はお金で折り合いをつけようとする方も多いのです。こうして示談を成立させ、担当検事に「玉虫色だけど、示談が成立したし、故意のわいせつ罪で無駄に法廷で争われるより不起訴処分のほうが楽だよ」という形で処理させるのです。

とにかく捕まった以上は、ほぼ100%有罪になることを覚悟し、グレーの決着を目指すべきです。私の知る限りでも多くの人が、痴漢で捕まっても会社にバレずに通常の市民生活に戻っています。

(弁護士 野澤 隆 構成=渡瀬裕哉 撮影=坂本道浩)

引用:痴漢冤罪「この人です!」と騒がれたら、まず何をするか(プレジデントオンライン) – ライフ – livedoor ニュース

態度を取り続ける必要があります。この人に関わったら面倒なことが起きると考えれば、大抵の人は、ここで騒動から回避する行動を取ります。/弁護士野澤隆-プレジデントオンライン

■99%有罪!正義などない

万が一、電車で痴漢をしていないにもかかわらず、痴漢をしたと糾弾されたとき、どうすればよいのでしょうか。

あくまで私見になりますが、一番おすすめできないのは、公開の法廷の場で徹底的に無罪を主張して戦うことです。あなたは、有罪率99%とも言われる裁判で「絶対に痴漢をしていない証拠」を示す必要があります。また、起訴後も身柄拘束されているとなれば、裁判の結果が出るまでの長期間、会社勤めもできず、社会的に抹殺されてしまうことも多いのです。冤罪が証明されると大々的に報道されることも多々あるので、戦ったほうがいいと思っている人もいますが、痴漢冤罪に関して、正義はないと考えてください。

では、どうすればよいか。

まず、確率論から導き出される合理的な結論の1つに「その場から走って逃げる」というものがあります。あなたがどう抗弁しようと、自分が痴漢でないと証明するのは極めて困難です。逃げて警察に捕まる確率から考えても、その選択肢が一定の説得力を持っているのは間違いありません。

しかし、逃げられない場合はどうすればよいのでしょうか。

まずは、騒動になったその場で、感情をむき出しにして、徹底的に怒ったほうがよいでしょう。

最大のリスクは第三者による証言が出てくることです。特に利害関係もない男性が「この人、お尻を触っていました」と証言されると決定的な証拠になってしまいます。そこで、怒鳴り散らすなりしながら「俺はやっていない。何を言っているんだ、こいつ」という態度を取り続ける必要があります。この人に関わったら面倒なことが起きると考えれば、大抵の人は、ここで騒動から回避する行動を取ります。

警察官が呼ばれた段階でやってはならないことは、警察署への任意同行に最初から黙って従うことです。警察署へ行ってから容疑を否認し続けると、1週間から10日間程度拘束されることはよくあります。この間は仕事に行くことはできないので大変なことになります。会社にバレたらクビを覚悟しなければならず、ここからはギリギリの戦いが始まります。

痴漢容疑で拘束されたら、まずは弁護士を呼ぶことです。そして、弁護士から家族に連絡してもらい、家族から会社に「急病で倒れたので、有休を使わせていただくようお願いします」と手配します。同僚から「お見舞いに行きたいので入院先を教えてくれ」などと言われても、家族を通じ「絶対安静、面会できない」などと話してもらい、上手にお茶を濁します。

そして、逮捕から10日程度以内に、被害者に連絡を取って事件の解決を図ります。これを過ぎると有休を使い果たしてしまい、会社にバレる可能性が高まります。ここで無駄に完全否認の形を取り続けると、逃亡または罪証隠滅の恐れがあるということで、最大で23日間も拘束されてしまいます。

冤罪事件であるにもかかわらず、なぜ示談する必要があるのかにつき依頼者である被疑者としては釈然としない点が多いのは理解したうえで、依頼者に認めさせる内容は「意図的に触ったのではなく、あくまでも触れただけ」とすることがポイントです。つまり、故意のわいせつ罪ではなく、あくまでも「過失に基づく損害賠償」の形で事件を終わらせるのです。そして、被害者とやり取りする書類上は単に「損害賠償金○○万円」とし、被害者の方に「寛大な処分でかまわない」という旨の記載がある書類にサインをしてもらいます。被害者も最初のうちは怒っていますが、最後はお金で折り合いをつけようとする方も多いのです。こうして示談を成立させ、担当検事に「玉虫色だけど、示談が成立したし、故意のわいせつ罪で無駄に法廷で争われるより不起訴処分のほうが楽だよ」という形で処理させるのです。

とにかく捕まった以上は、ほぼ100%有罪になることを覚悟し、グレーの決着を目指すべきです。私の知る限りでも多くの人が、痴漢で捕まっても会社にバレずに通常の市民生活に戻っています。

(弁護士 野澤 隆 構成=渡瀬裕哉 撮影=坂本道浩)

引用:痴漢冤罪「この人です!」と騒がれたら、まず何をするか(プレジデントオンライン) – ライフ – livedoor ニュース

まずは、騒動になったその場で、感情をむき出しにして、徹底的に怒ったほうがよいでしょう。/弁護士野澤隆-プレジデントオンライン

■99%有罪!正義などない

万が一、電車で痴漢をしていないにもかかわらず、痴漢をしたと糾弾されたとき、どうすればよいのでしょうか。

あくまで私見になりますが、一番おすすめできないのは、公開の法廷の場で徹底的に無罪を主張して戦うことです。あなたは、有罪率99%とも言われる裁判で「絶対に痴漢をしていない証拠」を示す必要があります。また、起訴後も身柄拘束されているとなれば、裁判の結果が出るまでの長期間、会社勤めもできず、社会的に抹殺されてしまうことも多いのです。冤罪が証明されると大々的に報道されることも多々あるので、戦ったほうがいいと思っている人もいますが、痴漢冤罪に関して、正義はないと考えてください。

では、どうすればよいか。

まず、確率論から導き出される合理的な結論の1つに「その場から走って逃げる」というものがあります。あなたがどう抗弁しようと、自分が痴漢でないと証明するのは極めて困難です。逃げて警察に捕まる確率から考えても、その選択肢が一定の説得力を持っているのは間違いありません。

しかし、逃げられない場合はどうすればよいのでしょうか。

まずは、騒動になったその場で、感情をむき出しにして、徹底的に怒ったほうがよいでしょう。

最大のリスクは第三者による証言が出てくることです。特に利害関係もない男性が「この人、お尻を触っていました」と証言されると決定的な証拠になってしまいます。そこで、怒鳴り散らすなりしながら「俺はやっていない。何を言っているんだ、こいつ」という態度を取り続ける必要があります。この人に関わったら面倒なことが起きると考えれば、大抵の人は、ここで騒動から回避する行動を取ります。

警察官が呼ばれた段階でやってはならないことは、警察署への任意同行に最初から黙って従うことです。警察署へ行ってから容疑を否認し続けると、1週間から10日間程度拘束されることはよくあります。この間は仕事に行くことはできないので大変なことになります。会社にバレたらクビを覚悟しなければならず、ここからはギリギリの戦いが始まります。

痴漢容疑で拘束されたら、まずは弁護士を呼ぶことです。そして、弁護士から家族に連絡してもらい、家族から会社に「急病で倒れたので、有休を使わせていただくようお願いします」と手配します。同僚から「お見舞いに行きたいので入院先を教えてくれ」などと言われても、家族を通じ「絶対安静、面会できない」などと話してもらい、上手にお茶を濁します。

そして、逮捕から10日程度以内に、被害者に連絡を取って事件の解決を図ります。これを過ぎると有休を使い果たしてしまい、会社にバレる可能性が高まります。ここで無駄に完全否認の形を取り続けると、逃亡または罪証隠滅の恐れがあるということで、最大で23日間も拘束されてしまいます。

冤罪事件であるにもかかわらず、なぜ示談する必要があるのかにつき依頼者である被疑者としては釈然としない点が多いのは理解したうえで、依頼者に認めさせる内容は「意図的に触ったのではなく、あくまでも触れただけ」とすることがポイントです。つまり、故意のわいせつ罪ではなく、あくまでも「過失に基づく損害賠償」の形で事件を終わらせるのです。そして、被害者とやり取りする書類上は単に「損害賠償金○○万円」とし、被害者の方に「寛大な処分でかまわない」という旨の記載がある書類にサインをしてもらいます。被害者も最初のうちは怒っていますが、最後はお金で折り合いをつけようとする方も多いのです。こうして示談を成立させ、担当検事に「玉虫色だけど、示談が成立したし、故意のわいせつ罪で無駄に法廷で争われるより不起訴処分のほうが楽だよ」という形で処理させるのです。

とにかく捕まった以上は、ほぼ100%有罪になることを覚悟し、グレーの決着を目指すべきです。私の知る限りでも多くの人が、痴漢で捕まっても会社にバレずに通常の市民生活に戻っています。

(弁護士 野澤 隆 構成=渡瀬裕哉 撮影=坂本道浩)

引用:痴漢冤罪「この人です!」と騒がれたら、まず何をするか(プレジデントオンライン) – ライフ – livedoor ニュース

あくまで私見になりますが、一番おすすめできないのは、公開の法廷の場で徹底的に無罪を主張して戦うことです。/弁護士野澤隆-プレジデントオンライン

■99%有罪!正義などない

万が一、電車で痴漢をしていないにもかかわらず、痴漢をしたと糾弾されたとき、どうすればよいのでしょうか。

あくまで私見になりますが、一番おすすめできないのは、公開の法廷の場で徹底的に無罪を主張して戦うことです。あなたは、有罪率99%とも言われる裁判で「絶対に痴漢をしていない証拠」を示す必要があります。また、起訴後も身柄拘束されているとなれば、裁判の結果が出るまでの長期間、会社勤めもできず、社会的に抹殺されてしまうことも多いのです。冤罪が証明されると大々的に報道されることも多々あるので、戦ったほうがいいと思っている人もいますが、痴漢冤罪に関して、正義はないと考えてください。

では、どうすればよいか。

まず、確率論から導き出される合理的な結論の1つに「その場から走って逃げる」というものがあります。あなたがどう抗弁しようと、自分が痴漢でないと証明するのは極めて困難です。逃げて警察に捕まる確率から考えても、その選択肢が一定の説得力を持っているのは間違いありません。

しかし、逃げられない場合はどうすればよいのでしょうか。

まずは、騒動になったその場で、感情をむき出しにして、徹底的に怒ったほうがよいでしょう。

最大のリスクは第三者による証言が出てくることです。特に利害関係もない男性が「この人、お尻を触っていました」と証言されると決定的な証拠になってしまいます。そこで、怒鳴り散らすなりしながら「俺はやっていない。何を言っているんだ、こいつ」という態度を取り続ける必要があります。この人に関わったら面倒なことが起きると考えれば、大抵の人は、ここで騒動から回避する行動を取ります。

警察官が呼ばれた段階でやってはならないことは、警察署への任意同行に最初から黙って従うことです。警察署へ行ってから容疑を否認し続けると、1週間から10日間程度拘束されることはよくあります。この間は仕事に行くことはできないので大変なことになります。会社にバレたらクビを覚悟しなければならず、ここからはギリギリの戦いが始まります。

痴漢容疑で拘束されたら、まずは弁護士を呼ぶことです。そして、弁護士から家族に連絡してもらい、家族から会社に「急病で倒れたので、有休を使わせていただくようお願いします」と手配します。同僚から「お見舞いに行きたいので入院先を教えてくれ」などと言われても、家族を通じ「絶対安静、面会できない」などと話してもらい、上手にお茶を濁します。

そして、逮捕から10日程度以内に、被害者に連絡を取って事件の解決を図ります。これを過ぎると有休を使い果たしてしまい、会社にバレる可能性が高まります。ここで無駄に完全否認の形を取り続けると、逃亡または罪証隠滅の恐れがあるということで、最大で23日間も拘束されてしまいます。

冤罪事件であるにもかかわらず、なぜ示談する必要があるのかにつき依頼者である被疑者としては釈然としない点が多いのは理解したうえで、依頼者に認めさせる内容は「意図的に触ったのではなく、あくまでも触れただけ」とすることがポイントです。つまり、故意のわいせつ罪ではなく、あくまでも「過失に基づく損害賠償」の形で事件を終わらせるのです。そして、被害者とやり取りする書類上は単に「損害賠償金○○万円」とし、被害者の方に「寛大な処分でかまわない」という旨の記載がある書類にサインをしてもらいます。被害者も最初のうちは怒っていますが、最後はお金で折り合いをつけようとする方も多いのです。こうして示談を成立させ、担当検事に「玉虫色だけど、示談が成立したし、故意のわいせつ罪で無駄に法廷で争われるより不起訴処分のほうが楽だよ」という形で処理させるのです。

とにかく捕まった以上は、ほぼ100%有罪になることを覚悟し、グレーの決着を目指すべきです。私の知る限りでも多くの人が、痴漢で捕まっても会社にバレずに通常の市民生活に戻っています。

(弁護士 野澤 隆 構成=渡瀬裕哉 撮影=坂本道浩)

引用:痴漢冤罪「この人です!」と騒がれたら、まず何をするか(プレジデントオンライン) – ライフ – livedoor ニュース