なぜ検察がそれに応じないのか。取り調べで検察官のITに関する無知が露呈するのを恐れているのではないでしょうか/元東京高裁の判事・木谷明が怒りの告発

この事件は、これからでもいいので、可視化をして取り調べをするべきです。なぜ検察がそれに応じないのか。取り調べで検察官のITに関する無知が露呈するのを恐れているのではないでしょうか。

 取り調べの可視化が必要だということは、今や社会の常識です。最高検も「可視化は犯罪の立証に有効」との提言を発表しました。ただし、検察が全面可視化に踏み切るかは未知数です。

 一部可視化はすでに進められていますが、これはきわめて問題です。紳士的な取り調べをして、被告が署名している様子だけを見せる。ひょっとしたらその前に強引な取り調べが行われていたかもしれない。検察官と被疑者の間で何かしらの取り引きがあったのかもしれない。しかし、裁判員にその判断はつきません。一部分だけ見て、自白の任意性を認めてしまうことになりかねない。否認している被疑者がどの段階で、どういう経緯で自白に転じたかということを客観的に明らかにしなければ、意味がないどころか、有害ですらあります。

 小沢一郎代議士の「陸山会事件」では、秘書だった石川知裕代議士の供述の捏造が問題となりました。この件は、取り調べの様子を石川代議士がICレコーダーで録音していたから明るみに出た。

引用:PCなりすましネコ男事件連続追及第11弾 元東京高裁の判事・木谷明が怒りの告発 裁判所が検察・警察のいいなりでどうすんの!  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]