「検察批判」タグアーカイブ

検察は、強大な権力によって被疑者の自由を奪ってその防御権を大きく制約/矢部善朗弁護士


警察検察批判の問題になると、すぐに取調べの可視化を持ち出してくる人がいるが/矢部善朗弁護士


元弁護人から提供されたもので、誰かの権利を侵害したり審理の公正を害する、といった問題は存在しません。困るのはせいぜい検察庁くらいでしょう。/落合洋司弁護士

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130609-00000004-mai-soci

NHK大阪放送局広報部は放送延期の理由について、毎日新聞の取材に「内容を深めるため、さらに取材が必要だと判断し、延期した。映像の取り扱いや検察への配慮等から延期したものではない」と文書で回答した。放送の日程は決まっていないという。

また、NHKの松本正之会長は6日の記者会見で、4月の放送については問題ないとの見解を示したが、今後同じ映像を放送するかどうかは「番組として必要であるとか、目的外使用の禁止を定めた条文の中の要件をクリアできているとか、いくつかの事柄を総合的に勘案して判断する」と述べた。

この問題についての、法的な観点での問題構造は、

NHK 大阪地検激怒で「取り調べ可視化」番組を放送延期した

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20130527#1369635932

取り調べ映像、被告側弁護士がNHKに提供

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20130530#1369884021

でコメントした通りですが、当面の問題としては、NHKによる、上記のような放映の可否ということになるでしょう。「人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供してはならない。」とされる主体は、あくまで「被告人若しくは弁護人又はこれらであつた者」で、提供を受けた側の報道機関は、禁止の主体ではありませんから、放映の可否を検討するにあたっては、倫理(放送倫理)に反するかどうかが特に問題になるでしょう。

本件では、既に確定した事件について、元被告人の了承の下、法廷で取調べ済みの証拠(取調べ状況)が元弁護人から提供されたもので、誰かの権利を侵害したり審理の公正を害する、といった問題は存在しません。困るのはせいぜい検察庁くらいでしょう。入手経緯において、形式的な法令違反が提供側にあったにせよ、破廉恥な手段を講じたわけではまったくなく、むしろ、提供を受け放映する大きな公益上の必要性(取調べ状況を国民に知らしめ取調べの可視化の重要性を訴える)が存在したもので、そのような必要性や今なお大きいと言えると思います。検察庁による懲戒請求攻撃(敢えて「攻撃」と言っておきますが)に、NHKが屈し、放映しなければ、リスクを犯して提供した元弁護人や、了承した元被告人の意思を無にするものであり、取調べの問題をこれ以上明るみに出さず封殺しようとする検察庁の思う壺にはまることになってしまうでしょう。

以前に、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041118#1100769891

でコメントしたように、かつて、ドイツの法学者ラートブルフは、ナチスによって民主的なワイマール憲法体制が破壊されたことに対する反省から、「合法的な手続で制定された法律であっても、その内容が正義に合致しないものであれば、それに不正という刻印を押し、それと戦う勇気を持たねばならない。」と主張し、それが、高名な憲法学者であった芦部信喜先生による憲法学の基本で、その精神は、日本国憲法やその下にある我が国の法秩序においても貫徹されなければならないと思います。今こそ、NHKは、悪法も法であるとして圧力に屈して終わってしまうのではなく、悪法は法ではない、その内容が正義に合致しないものであれば不正という刻印を押し、それと戦う勇気を持たねばならない、ということを真剣に考えなければならないでしょう。そのためには、勇気をもって放映し、国民に真実を知らしめるべきだと思います。それは決して倫理(放送倫理)に反することではありません。

引用:2013-06-09 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」

最大の理由は検事が偽装した捜査報告書の存在に求められる。本書には捜査報告書の全文と隠し録って作成した実際の録音反訳書が収められているが、報告書の8割近くがねつ造であり、開いた口がふさがらない。/BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

法務大臣が検察の独立性を超越して検事総長を直接指揮できる「指揮権」。戦後、発動されたのは一度だけだが、世間を賑わした「小沢事件」への検察の対応を巡り、昨年、58年ぶりに発動寸前の状態にあった。本書では発動予定の前日に解職された当時の法務大臣の著者が検察の腐敗を糾弾している。
 政治家、小沢一郎氏の資金管理団体が収支報告書で会計処理を誤った事件は、検察が会計処理の背後に不正資金があると睨んだことで国政を左右する事件に発展した。結局、小沢氏は無罪に終わったが、世間ではグレーの印象が未だに強い。最大の理由は検事が偽装した捜査報告書の存在に求められる。本書には捜査報告書の全文と隠し録って作成した実際の録音反訳書が収められているが、報告書の8割近くがねつ造であり、開いた口がふさがらない。
 組織ぐるみのねつ造を「担当検事の記憶違い」で終わらせようとする検察の隠蔽体質に著者は指揮権をちらつかせたことで、返り討ちに遭うが、自身の解職については多くを語らない。検察が抱える闇は我々の想像以上に深くて暗い。

引用:指揮権発動―検察の正義は失われた [著]小川敏夫 – 江田晃一 – 話題の新刊(週刊朝日) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

指揮権発動―検察の正義は失われた [著]小川敏夫/BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

法務大臣が検察の独立性を超越して検事総長を直接指揮できる「指揮権」。戦後、発動されたのは一度だけだが、世間を賑わした「小沢事件」への検察の対応を巡り、昨年、58年ぶりに発動寸前の状態にあった。本書では発動予定の前日に解職された当時の法務大臣の著者が検察の腐敗を糾弾している。
 政治家、小沢一郎氏の資金管理団体が収支報告書で会計処理を誤った事件は、検察が会計処理の背後に不正資金があると睨んだことで国政を左右する事件に発展した。結局、小沢氏は無罪に終わったが、世間ではグレーの印象が未だに強い。最大の理由は検事が偽装した捜査報告書の存在に求められる。本書には捜査報告書の全文と隠し録って作成した実際の録音反訳書が収められているが、報告書の8割近くがねつ造であり、開いた口がふさがらない。
 組織ぐるみのねつ造を「担当検事の記憶違い」で終わらせようとする検察の隠蔽体質に著者は指揮権をちらつかせたことで、返り討ちに遭うが、自身の解職については多くを語らない。検察が抱える闇は我々の想像以上に深くて暗い。

引用:指揮権発動―検察の正義は失われた [著]小川敏夫 – 江田晃一 – 話題の新刊(週刊朝日) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

答えられないのは、やましいところがあるからに違いない。検察の不祥事隠しに手を貸した東京弁護士会は、このまま市民に背を向け続けるのだろうか/ジャーナリスト江川紹子

陸山会事件での検審騙しの虚偽捜査報告書作成事件の田代元検事への不起訴不当を受けた再捜査など、検察が、真摯に反省し、取り組まなければならないことは山ほどある/郷原信郎弁護士

検察が、真摯に反省し、取り組まなければならないことは山ほどあるはず。やることの方向性が完全に間違っている。このようなことを続ける検察には「証拠の独占」を許すことはできない/郷原信郎弁護士

今週号の週刊ポストの記事にもコメントしたが、そもそも、証拠の目的外使用に対して弁護士にも罰則が設けられたのは/郷原信郎弁護士