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検察庁内部でも、行き過ぎた弁護活動を問題視するようになっていて、検察庁内部の関係者のみが入手し読める資料で、そういった弁護活動について調査、報告した資料も配布されていた記憶があります。/落合洋司弁護士

この記事では、弁護士のどのような行為が「犯人隠避」に該当すると判断されたのか、不明ですね。

近年、弁護士が、弁護活動に絡んで、偽証教唆や犯人隠避といった容疑で逮捕されたり起訴される、といったケースが増えてきている傾向がありますが、私が検察庁に在籍していた(2000年まで)当時から既に、検察庁内部でも、行き過ぎた弁護活動を問題視するようになっていて、検察庁内部の関係者のみが入手し読める資料で、そういった弁護活動について調査、報告した資料も配布されていた記憶があります。見ていると、そういう問題意識に乏しいまま、脇の甘い弁護活動をやってしまっているケースもあるようですが、捜査機関は、その気になれば思い切り突っ込んできますから、弁護士としては要注意で、慎重に臨む必要があるでしょう。

弁護活動というものは、それ自体が、見方によっては「犯人隠避」に見えることが多く、正当な弁護活動と行き過ぎた、違法・不当な弁護活動の境界は、なかなか明確な一線を引きにくいものがあります。上記の記事では、弁護士と暴力団が接点を持つこと自体がいけない、という口吻が感じられますが、刑事弁護をやれば暴力団関係者を弁護することもあり、接点を持つこと自体がいけない、では刑事弁護は成り立たなくなります。

だから行き過ぎたことをやってよい、というわけでは、もちろんありませんが、捜査機関側としても、そういった弁護活動の微妙さを踏まえた上で、立件すべきものかどうかについて慎重に判断する必要があると思います。弁護士に対する弾圧、嫌がらせ、見せしめといった意図で捜査権が濫用されてはならないでしょう。

そういった視点で、上記の事件も慎重に見る必要があると思います。

引用:2013-05-31 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」

そういった遅れた体制、意識の中で、遠隔操作事件の誤認逮捕も起き、サイバー犯罪捜査の改革、などとも言っているわけで、かなり危なっかしく心もとない状態/落合洋司弁護士

被害届や被害品の押収を、データベースを作って管理し、全署で見られるようにしておけば、こういう過誤は避けられ、それほど難しいことでもないのに、なぜやらないのか、ということでしょうね。

警察は、電子メールは使わない(内部の相互連絡では使っているのかもしれませんが)ので連絡するのにいちいち電話しなければならず、資料を送るのも郵送かファックスで、そういうものを使わなければ情報漏洩も防げると勘違いしているのかもしれませんが、忙しい、忙しいと言っている割には無駄が多い、IT面では日本有数の遅れた組織です。こういう方面で、遅れた組織にシーラカンス賞とかが授与されることになれば、おそらく真っ先に授与されるでしょう。そういった遅れた体制、意識の中で、遠隔操作事件の誤認逮捕も起き、サイバー犯罪捜査の改革、などとも言っているわけで、かなり危なっかしく心もとない状態にあることは明らかだと思います。

引用:2013-05-11 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」

2013-05-11 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」[不祥事]窃盗:誤認逮捕事件で新たに男逮捕 愛知県警 13:40 http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20130511#1368247239

インターネットニュースの世界は、見られる、読まれることがすべて、見られず読まれなければ無いのと同じ、という、厳しい世界/落合洋司弁護士

固定して支払われる購読料で成り立っていた既存の新聞とは異なり、こうしたインターネットニュースの世界は、見られる、読まれることがすべて、見られず読まれなければ無いのと同じ、という、厳しい世界で、上記のようなハフィントン・ポストの在り方は、そこを直視したものと言えるでしょうね。

ただ、こうしたやり方は、どうしても、興味本位のもの、「釣り」的なものへと関心が流れそこが重視されてしまいがちになる傾向があって、クオリティを維持することが難しく、徐々に飽きられてしまう、という流れになってしまう危険性を内包しているように思います。日本で、どこまで伸びるか、伸び悩んでしまうかは、今後の日本におけるネット・メディアの動向を占う上でも参考になるでしょう。

引用:2013-05-10 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」

今後も、当面は訴訟が弁護士の大きな収入源という状態は続くでしょう。したがって、上記のような苦しい状態も当面続くことになります。/落合洋司弁護士

日本の、従来の弁護士の大きな収入源は、やはり、訴訟、それも民事訴訟で、訴訟事件をコンスタントに受任し、着手金(最初に支払ってもらう弁護士費用)、報酬金(勝訴など成果が出た場合に支払ってもらう弁護士費用)を得ながら、それをメインとしつつ、刑事事件による収入(民事事件よりは低額)、顧問料、相談料等々を得て、トータルの収入を確保し、そこから諸経費を支出して、という収益構造が多いと思います。それが、上記の記事にあるように、訴訟事件が減り、さらに弁護士が大きく増えることで弁護士1人当たりの訴訟による収入が減れば(必然的にそうなるでしょう)、メインの収入が減るわけですから、苦しくなってきます。

そういう、「訴訟弁護士」からの転換も図らねばならないわけですが、口で言うほど簡単なことではなく、今後も、当面は訴訟が弁護士の大きな収入源という状態は続くでしょう。したがって、上記のような苦しい状態も当面続くことになります。

かつての、司法試験合格者が少ない時代にあった「うまみ」のようなものは、影をひそめ、司法試験合格も大変、合格した後も大変、儲からない仕事、という状態が続くことになります。それを覚悟で、この仕事をやってみたい、やりがいを見出したいという、強い意思、意欲が、ますます求められる仕事になってきている、ということだと思います。株の世界では、人の行く裏に道あり花の山、と言われますが、多くの人が去って行ったその道の先に、大輪の花が咲き乱れる花の山が待ち構えているかもしれません(何もないかもしれませんが)。

引用:2013-05-08 – 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」