「検察」タグアーカイブ

〈できるだけオープンであれ。…捜査上、あるいは法令上問題になることがない限り、オープンにする必要があるというのが私たちの出発点だ〉/ジャーナリスト江川紹子

本件で「逮捕」はしない、と。となると、いつを「捜査終了」とするのかは、もっぱら検察の判断次第ということに/ジャーナリスト江川紹子

取り調べDVD:NHKに提供の弁護士 大阪地検懲戒請求/毎日jp(毎日新聞)

毎日新聞 2013年05月30日 02時30分

 法廷に証拠提出された取り調べの録画映像をNHKの番組に提供したとして、大阪地検が映像のDVDを提供した男性弁護士について、大阪弁護士会に懲戒請求したことが分かった。刑事訴訟法は、証拠の目的外利用を禁じており、地検は違法行為の疑いがあると判断したとみられる。

 NHK大阪放送局は4月5日、関西情報番組「かんさい熱視線」で「“虚偽自白”取調室で何が」と題し、密室の取り調べの問題点を指摘する番組を放送。傷害致死罪で起訴された男性の取り調べの録画の一部を放映した。

 映像は検察側が大阪地裁に証拠提出したもの。映像での発言との食い違いなどから男性の供述調書の信用性が否定され、男性は11年7月に無罪判決を受けて確定した。関係者によると、男性の弁護人だった弁護士がNHKの取材の趣旨に賛同し、男性の了解を取った上で、保管していたDVDを提供した。

 刑事訴訟法の証拠の目的外使用禁止の規定を巡っては、04年の法改正で盛り込まれる際、報道の自由や被告の防御権を制約する恐れがあるとして日本新聞協会や日本弁護士連合会が反対した経緯がある。【日下部聡】

引用:取り調べDVD:NHKに提供の弁護士 大阪地検懲戒請求- 毎日jp(毎日新聞)

痴漢冤罪事件の最大の問題は、被害者の供述の信用性が何も吟味されることなく犯人と名指し/矢部善朗弁護士

確たる証拠も示さずに、警察、検察、裁判所がグルになって被告を精神的に追い詰め、有罪を認めさせる。日本の刑事司法は歪んでいるとしか言いようがない。/ | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

検察は公平な正義を追求すべき存在だ。だが、上本、水庫両検事が過去に手を染めた「不適切な捜査」を見るにつけ、それは単なる理念に過ぎず、実態はそうはなっていないことを思い知らされる。

 そんな検察の主張を丸呑みにして、長期勾留を認めている裁判所にも問題はないのか。弁護側は片山さんの勾留理由の開示を裁判所に要求した。開示された理由は、検察の主張を追認するだけのものだった。

 1回目の勾留理由開示を行った岩田澄江判事補も、2回目の冨田環志判事補も「証拠隠滅と逃亡のおそれ」があるとして、片山さんの勾留を認めたのだ。元裁判官で弁護士の森炎氏が問題点をこう指摘する。

「一般的に裁判所は、被疑者が起訴されて犯罪捜査が終わっているにもかかわらず、身柄拘束を認めています。日本の裁判実務では、保釈するかどうかの判断にあたって、犯行を認めていない場合は、認めている場合よりも被告にとって不利に扱う。これは明らかに犯行を認めさせる方向に事態を誘引しようとする考え方であり、身の潔白を主張する意欲を削ごうとする無力化効果を狙ったものです。

 保釈されないということは、裁判が終わるまで身柄を拘束されっぱなしということです。そのため、日本の刑事司法は『人質司法』と言われています。こういう陰険とも姑息とも言うべき裁判実務は、いい加減やめなければならない時期に来ているのではないか」

 確たる証拠も示さずに、警察、検察、裁判所がグルになって被告を精神的に追い詰め、有罪を認めさせる。日本の刑事司法は歪んでいるとしか言いようがない。

 PCなりすまし事件は、初公判の前に争点を絞り込む「公判前整理手続き」が行われることが決まった。

 第1回協議は5月22日に行われる。これまでのように密室で強引に罪を認めさせるような検察の手法はもう通用しない。

引用:連続追及 第9弾 PCなりすまし事件 やっぱりひどい!自白強要なんて朝飯前 取調官は「冤罪検事」と呼ばれる男  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

「国民目線の広報必要」と言うけれど>検事総長殿<元検弁護士のつぶやき>

「国民目線の広報必要」と言うけれど>検事総長殿

「国民目線の広報必要」 裁判員制度に向け検事総長(産経ニュース)
裁判員制度へ向け、広報態勢充実(毎日新聞 2008年9月18日 東京夕刊)

 事件広報について、樋渡総長は「従来はマスコミに対し、謙抑的に終始してきた嫌いがあり、国民に検察の活動を分かりにくいものとしてきた側面も否定できない」と指摘。捜査の秘密などは厳守しつつ「例えば起訴・不起訴処分の理由、裁判における争点などについて、踏み込んで丁寧に説明することは十分可能。真摯(しんし)に検討してほしい」と述べた。(産経ニュース)

 一生懸命リップサービスに努めておられるようですが

 起訴の理由について述べるとすれば、起訴の根拠となった証拠に基づいて述べることになると思いますが、その証拠の信用性があるとは限らず、将来の公判における弁護活動によって証拠能力(証拠にできる資格そのもの)や信用性が否定される可能性が常にあります。
 起訴直後に起訴の理由について不用意に述べれば、裁判員制度を前提にした場合、裁判員に対し不当な先入観念を与えることになりかねません。

 不起訴の理由を述べることについてもかなり深刻な問題が生じる可能性があります。
 わかりやすく痴漢事件を例にあげますが(痴漢事件の不起訴について記者会見をするかどうかはともかく例としてあげます。)、不起訴の理由として被害者の供述の信用性について疑問があるなどと言えば、最近のでっち上げ事件が連想されて、被害者が被疑者を陥れようとしたのではないかという疑念が生じかねません。
 証拠が不十分だと言えば、被疑者は本当はやっているんだけど証拠が足りないだけなんだなと世間的クロ認定をされてしまう恐れもあります。

 このように、「踏み込んで丁寧」な説明をしようと思うと、思いっきり神経を使いますし、下手な説明をすれば関係者の名誉等に重大は被害が生じる危険性があります。

 原則として各地検の次席検事が当たってきた報道対応については、現場の主任検察官にも担わせる考えを示した。(毎日新聞)

 こんな微妙な問題がある説明を不慣れな主任検事にさせていいんかいな、という素朴な疑問が生じます。

 これまで検察はものを言わなすぎだったことは確かだと思います。
 法曹三者の中で、裁判官と弁護士というのは、その資格を聞いただけで仕事の内容がかなりの程度イメージできますが、検察官の仕事というのはなかなかイメージしにくいと思います。
 単に、事件を起訴する怖い人くらいのイメージじゃないでしょうか。
 または刑事とほとんど混同されていたりして。
 その意味では広報の必要性は感じますが、そのやり方についてはよくよく検討したほうがいいと思います。

 国民目線というのは、検事総長がイメージしているようなものばかりではないと思いますので。
モトケン (2008年9月18日 20:15) | コメント(2) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top) 引用:「国民目線の広報必要」と言うけれど>検事総長殿 – 元検弁護士のつぶやき

下手な説明をすれば関係者の名誉等に重大は被害が生じる危険性があります<元検弁護士のつぶやき>

「国民目線の広報必要」と言うけれど>検事総長殿

「国民目線の広報必要」 裁判員制度に向け検事総長(産経ニュース)
裁判員制度へ向け、広報態勢充実(毎日新聞 2008年9月18日 東京夕刊)

 事件広報について、樋渡総長は「従来はマスコミに対し、謙抑的に終始してきた嫌いがあり、国民に検察の活動を分かりにくいものとしてきた側面も否定できない」と指摘。捜査の秘密などは厳守しつつ「例えば起訴・不起訴処分の理由、裁判における争点などについて、踏み込んで丁寧に説明することは十分可能。真摯(しんし)に検討してほしい」と述べた。(産経ニュース)

 一生懸命リップサービスに努めておられるようですが

 起訴の理由について述べるとすれば、起訴の根拠となった証拠に基づいて述べることになると思いますが、その証拠の信用性があるとは限らず、将来の公判における弁護活動によって証拠能力(証拠にできる資格そのもの)や信用性が否定される可能性が常にあります。
 起訴直後に起訴の理由について不用意に述べれば、裁判員制度を前提にした場合、裁判員に対し不当な先入観念を与えることになりかねません。

 不起訴の理由を述べることについてもかなり深刻な問題が生じる可能性があります。
 わかりやすく痴漢事件を例にあげますが(痴漢事件の不起訴について記者会見をするかどうかはともかく例としてあげます。)、不起訴の理由として被害者の供述の信用性について疑問があるなどと言えば、最近のでっち上げ事件が連想されて、被害者が被疑者を陥れようとしたのではないかという疑念が生じかねません。
 証拠が不十分だと言えば、被疑者は本当はやっているんだけど証拠が足りないだけなんだなと世間的クロ認定をされてしまう恐れもあります。

 このように、「踏み込んで丁寧」な説明をしようと思うと、思いっきり神経を使いますし、下手な説明をすれば関係者の名誉等に重大は被害が生じる危険性があります。

 原則として各地検の次席検事が当たってきた報道対応については、現場の主任検察官にも担わせる考えを示した。(毎日新聞)

 こんな微妙な問題がある説明を不慣れな主任検事にさせていいんかいな、という素朴な疑問が生じます。

 これまで検察はものを言わなすぎだったことは確かだと思います。
 法曹三者の中で、裁判官と弁護士というのは、その資格を聞いただけで仕事の内容がかなりの程度イメージできますが、検察官の仕事というのはなかなかイメージしにくいと思います。
 単に、事件を起訴する怖い人くらいのイメージじゃないでしょうか。
 または刑事とほとんど混同されていたりして。
 その意味では広報の必要性は感じますが、そのやり方についてはよくよく検討したほうがいいと思います。

 国民目線というのは、検事総長がイメージしているようなものばかりではないと思いますので。
モトケン (2008年9月18日 20:15) | コメント(2) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top) 引用:「国民目線の広報必要」と言うけれど>検事総長殿 – 元検弁護士のつぶやき

事件報道が、ほとんど警察・検察からの情報のみに依存し、警察・検察による世 論誘導を可能にしている現状は極めて憂慮すべき事態です<元検弁護士のつぶや き>



弁護士のマスコミ対応

弁護人は被疑者との接見内容をマスコミに話してよいか?(法と常識の狭間で考えよう)
「弁護人は被疑者との接見内容をマスコミに話してよいか?」(弁護士落合洋司の「日々是好日」)

 広島の女児殺害事件の弁護人のマスコミ対応に関して、弁護士のビートニクス先生と落合先生が記事を書いておられます。

 両先生とも、直接的には弁護人が被疑者との接見内容(被疑者と弁護士との二人だけの話の内容)をマスコミに話すことを問題にされていますが、この問題は、それだけにとどまらず、弁護士のマスコミ対応のあり方の問題だと思います。
 両先生ももちろんその観点で意見を述べられています。その中で、接見内容を話すということが特に問題が多いのです。

 私も、接見内容をマスコミに漏らすことについては、慎重の上にも慎重であるべきだと考えます。

 ビートニクス先生は、被疑者の不利益の可能性を指摘しておられます。
 落合先生は、「被疑者(被告人)の理解・承諾の範囲内かどうか」を重視しておられます。

 いずれも弁護人としての基本的かつ最も重要な職責に関するご意見であり、この問題の前提とも言えるご指摘です。

 その観点において、接見内容に関する限り、私もビートニクス先生と同様、広島の事件の弁護士は、「喋りすぎ」であるように思われます。

 しかし、より広く「弁護士のマスコミ対応」という観点で考えると、話は少し変わってくるように思います。

 マスコミ対応に関する弁護士のあり方としては、積極論と消極論があるわけですが、積極論の考え方の背景には、事件の社会性というものを意識しているのではないかと感じられます。
 被疑者・被告人の利益との関係で言えば、報道内容や世間の目というものが検察庁の処分や判決に影響を及ぼす可能性というものを考えているのではないでしょうか。

 それに対して消極論の考え方は、裁判というのは法廷における審理に基づいて裁判官がマスコミや世論の動向とは関係なく、法と証拠に基づいて裁判されるべきであると考えているように思われます。

 いわゆる職業裁判官による裁判を前提にする限り、消極論が理念的に正当であるとしてより多くの支持を得られたかもしれませんが、裁判員制度の導入を前提に考えますと、現実論としてはそうも言っていられないように思います。
 一般市民である裁判員が事前の報道内容や論調の影響をかなり受けることは不可避であるからです。

 そうなりますと、事件報道が、ほとんど警察・検察からの情報のみに依存し、警察・検察による世論誘導を可能にしている現状は極めて憂慮すべき事態です。

 ある事例を簡単に紹介します。

 事件は、精神科病院に入院歴のある被告人による殺人未遂事件であり、事件の態様から見ても責任能力が争点になることが確実な事案でした。
 ところが検察官は、責任能力には問題がないとして(問題にすらならないとして)精神鑑定をしない方針をマスコミに漏らしていました。
 弁護人は、被疑者段階から被疑者がかなり重篤な病気であり早期処分(不起訴または起訴されたとしても早期結審)を図ることが被疑者にとって重要であると考え、また精神鑑定は事件により近い時期において実施するほうがより正確な鑑定が可能であるとして、検察に対して起訴前の正式精神鑑定を求めましたが、検察は応じませんでした。
 そこで弁護人は、公判請求を予測して起訴後の立証に備える意味を含めて勾留理由開示を求めました。
 勾留理由開示公判において、マスコミの記者たちははじめて自分たちの目で被疑者の姿を見ることになりました。
 勾留理由開示公判の後に、ある新聞記者から聞いた話ですが、その記者は勾留理由開示公判以前は、警察・検察からの情報に基づき、責任能力に何の問題もない犯人像を描いていたそうです。
 しかし自分(記者)の目で被疑者を見たことにより、そのようは犯人像が間違っていたことがわかったと言っておりました。
 その後のマスコミ報道は、少なくとも警察・検察に迎合するような論調は影を潜めたように感じられました。

 
 これからの刑事事件は、弁護人が、被疑者(将来の被告人)逮捕の瞬間から、捜査と公判の推移を予測し、マスコミの報道が裁判員の心理などにどのような影響を及ぼすかを考えながら、警察・検察の情報操作に対抗して積極的なマスコミ対応が必要になる場合が多くなるのではないでしょうか。
モトケン (2005年12月11日 10:33) | コメント(2) | トラックバック(5) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:弁護士のマスコミ対応 – 元検弁護士のつぶやき

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刑事と共謀罪<元検弁護士のつぶやき>



刑事と共謀罪

 警察権力と共謀罪の関係について何かを書かなければいけないな、と思っていたところに例によって東京新聞の特報がタイムリーな記事を書いてくれていました。
 やっぱり現場の声をまず聞く必要がありますね。

 刑減免より犯罪組織が怖い(共謀罪 刑事が反対する理由)

警察の現場は今でも負担が過剰だという。「知ってるか? 同棲(どうせい)中に浮気した本人が元カレやら元カノから『ストーカーされてます』って警察に言ってくる。昔だったら民事ですよで終わったけど、市民相談とか言ってさ、今は山のように持ち込まれてる。調べると、ほとんどは本人が悪い。でも、市民相談受けたら、なんでもかんでも調べて、報告書、書かなきゃいかんってことになってんだよ、今は。そのうえ共謀罪? 人手不足もいいとこになるって。世間の風向きばかり見てる官僚には分からんだろうがね」

 これなどは私が以前に書いたことと共通した認識です。

「例えば、外事警察の動きを見てください。破壊活動防止とか、本当の仕事に力を注ぐべきなのに、外国人のオーバーステイとか、簡単な事件ばかりやっているでしょ。警察はノルマ社会だから、事件数の統計を伸ばして予算を取りやすくしたいんです。犯罪組織が対象だという共謀罪だって、法施行から数年後、あれっと気づいた時には、犯罪組織よりも市民団体に矛先が向いているだろうことは想像に難くありません」

 この「ノルマ社会」というところが警察と検察のかなり根本的な違いのように感じています。

 とりあえず一読をお勧めします。
モトケン (2006年5月18日 20:01) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:刑事と共謀罪 – 元検弁護士のつぶやき

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「ノルマ社会」というところが警察と検察のかなり根本的な違いのように<元検 弁護士のつぶやき>



刑事と共謀罪

 警察権力と共謀罪の関係について何かを書かなければいけないな、と思っていたところに例によって東京新聞の特報がタイムリーな記事を書いてくれていました。
 やっぱり現場の声をまず聞く必要がありますね。

 刑減免より犯罪組織が怖い(共謀罪 刑事が反対する理由)

警察の現場は今でも負担が過剰だという。「知ってるか? 同棲(どうせい)中に浮気した本人が元カレやら元カノから『ストーカーされてます』って警察に言ってくる。昔だったら民事ですよで終わったけど、市民相談とか言ってさ、今は山のように持ち込まれてる。調べると、ほとんどは本人が悪い。でも、市民相談受けたら、なんでもかんでも調べて、報告書、書かなきゃいかんってことになってんだよ、今は。そのうえ共謀罪? 人手不足もいいとこになるって。世間の風向きばかり見てる官僚には分からんだろうがね」

 これなどは私が以前に書いたことと共通した認識です。

「例えば、外事警察の動きを見てください。破壊活動防止とか、本当の仕事に力を注ぐべきなのに、外国人のオーバーステイとか、簡単な事件ばかりやっているでしょ。警察はノルマ社会だから、事件数の統計を伸ばして予算を取りやすくしたいんです。犯罪組織が対象だという共謀罪だって、法施行から数年後、あれっと気づいた時には、犯罪組織よりも市民団体に矛先が向いているだろうことは想像に難くありません」

 この「ノルマ社会」というところが警察と検察のかなり根本的な違いのように感じています。

 とりあえず一読をお勧めします。
モトケン (2006年5月18日 20:01) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:刑事と共謀罪 – 元検弁護士のつぶやき

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