安田弁護士らの主張の検討>だめだこりゃ
光市母子殺害事件における弁護団の弁論要旨とその根拠になっている鑑定書(結論部分)が公開されていますので、検討資料としては必ずしも十分ではありませんが、外野から無責任に考えてみようということで、場外乱闘掲示板にスレッドを立てました。
ご意見のある方はどうぞ
安田弁護士らの主張の検討
追記
被害者の口を押さえた右手がずれてしまったという主張に限って言いますが、結論としてはタイトルに付記しましたように「だめだこりゃ」という感じです。
弁論要旨では、
そして、この4本の指の痕跡の反対側である左側頸部には、親指の圧迫痕に相当する楕円形の表皮剥脱があることからすると、被害者であるAさんは、右手の逆手で頸部を扼頚されたものであることが明らかである(資料11、15)。
すなわち、下顎部分に対する右手の逆手による圧迫は、正に被害者の口を封じようとしたものであり、それに続く頸部に対する右手の逆手による扼頚は、下顎部分に対する右手の逆手の圧迫が被害者の動きによってそのまま頸部にずれたものと考えるのが相当であり、これ以外の解釈は存 在しないのである(資料17、18)。
と言っています。
しかし、引用されている図面(資料15)に皆さんが自分で右手を逆手にして(資料18のように)当ててもらえればわかりますが、楕円形の表皮剥脱と親指は重なりません。
今度は左手を順手にして図面の頚部に重ねてみてください。
手の大きさにもよりますが、はるかにしっくりと重なります。
こうなると、その他の主張も推して知るべしという感じです。
これ以上論評すると名誉毀損になりそうですのでやめます。
モトケン (2007年6月23日 18:15) | コメント(15) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:安田弁護士らの主張の検討>だめだこりゃ – 元検弁護士のつぶやき
安田弁護士らの主張の検討>だめだこりゃ
光市母子殺害事件における弁護団の弁論要旨とその根拠になっている鑑定書(結論部分)が公開されていますので、検討資料としては必ずしも十分ではありませんが、外野から無責任に考えてみようということで、場外乱闘掲示板にスレッドを立てました。
ご意見のある方はどうぞ
安田弁護士らの主張の検討
追記
被害者の口を押さえた右手がずれてしまったという主張に限って言いますが、結論としてはタイトルに付記しましたように「だめだこりゃ」という感じです。
弁論要旨では、
そして、この4本の指の痕跡の反対側である左側頸部には、親指の圧迫痕に相当する楕円形の表皮剥脱があることからすると、被害者であるAさんは、右手の逆手で頸部を扼頚されたものであることが明らかである(資料11、15)。
すなわち、下顎部分に対する右手の逆手による圧迫は、正に被害者の口を封じようとしたものであり、それに続く頸部に対する右手の逆手による扼頚は、下顎部分に対する右手の逆手の圧迫が被害者の動きによってそのまま頸部にずれたものと考えるのが相当であり、これ以外の解釈は存 在しないのである(資料17、18)。
と言っています。
しかし、引用されている図面(資料15)に皆さんが自分で右手を逆手にして(資料18のように)当ててもらえればわかりますが、楕円形の表皮剥脱と親指は重なりません。
今度は左手を順手にして図面の頚部に重ねてみてください。
手の大きさにもよりますが、はるかにしっくりと重なります。
こうなると、その他の主張も推して知るべしという感じです。
これ以上論評すると名誉毀損になりそうですのでやめます。
モトケン (2007年6月23日 18:15) | コメント(15) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:安田弁護士らの主張の検討>だめだこりゃ – 元検弁護士のつぶやき
何故、橋下弁護士批判なのか。
光市事件に関しては、ネットではたぶん私が最も安田弁護士を批判してきた弁護士の一人だろうと思います。
同時に、今、光市弁護団以外の弁護士では、私が橋下弁護士を最も声高に批判している弁護士の一人だろうと思います。
一見すると矛盾する批判のように見えるかも知れませんが、実は根は同じなのです。
私が、安田弁護士(足立弁護士も含みますが)を批判するきっかけになったのは、最高裁弁論のドタキャンでした。
その最大の理由は、(当時の情報に基づく限りにおいてですが)、安田弁護士らのドタキャンは、弁護人抜き法案の材料にされかねないという危惧を覚えたからです。
そして今、私が橋下弁護士の懲戒扇動を批判するのは、それよりはるかに深刻に刑事弁護制度全体に対する悪影響を懸念するからなのです。
司法試験制度の改革(改正かどうかはともかく)により、私が合格した当時よりも司法試験合格者の数は増えましたから、弁護士の数も増えることが予定されています。
しかし、それにもかかわらず刑事弁護士の数は今後も十分確保される見通しが立たないのです。
弁護士が増えたとしても、弁護士の大都市集中の傾向は変わらないと思われますので、地方都市における弁護士の数が今後劇的に増えるとは思えません。
また、大都市・地方都市の別にかかわらず、自営業者たる弁護士の経営基盤は民事事件である場合がほとんどです。
なぜならば、刑事事件の依頼者の多くは資力に乏しいからです。
また、刑事事件は民事事件に比べて時間効率が悪い場合が多いです。
民事事件においては、依頼者との打ち合わせ等は、依頼者に事務所まで来ていただいて行うことができますが、刑事の身柄事件(被疑者・被告人が逮捕・勾留されている事件)では、弁護士が警察や拘置所まで出向かなければなりません。
そして、警察や拘置所は、弁護士の事務所から近い場所にあるとは限らないのです。
時間効率の面で今後さらに問題になるのは、裁判員制度実施またはその予行演習的な公判の集中審理です。
集中審理のためには、一定期間その事件に文字通り集中しなければならず、その期間は他の事件を並行して行うことが困難です。
また、起訴前の段階においても、刑事の身柄事件は、被疑者の逮捕に即座に対応しなければなりませんから、民事事件よりはるかにタイムマネージメントが困難になります。
言い換えますと、いつ起こるかわからない被疑者の逮捕に即応するためには、時間的余裕がなければならないということであり、弁護士の数がそれなりにいたとしても、たまたま時間的余裕がある弁護士でなければ有効な刑事弁護ができないということなのです。
さらに、平成18年から施行された被疑者国選制度とその拡大に対応するためには、これまでよりはるかに多くの刑事弁護士(刑事弁護に即応可能な弁護士)が必要になります。
このように刑事弁護を巡る状況は本来的に厳しいものがあるのですが、そこに刑事弁護に対する無理解が重なりますと状況はさらに深刻になってきます。
世間の批判と非難を集めるような被告人(オウム事件、光市事件、和歌山カレー事件のような事件の被告人)の弁護人になると、顧問先から顧問契約を打ち切られたりして単に時間的ロス以上の経営に対する悪影響が生じる場合があります。
思いつくままに刑事弁護を取り巻く状況を述べてみましたが、刑事弁護というものがいかに個々の弁護士の使命感に支えられているかご理解していただけると書いた甲斐があるというものなのですがいかがでしょうか。
そこに降ってわいたのが、橋下弁護士の懲戒扇動問題なのです。
橋下弁護士が扇動した懲戒請求自体は、理由のないものです。
理由がないものなのだったらほっとけばいいじゃないか、という意見もあります。
しかし、今回の懲戒請求扇動は、刑事司法に無理解な世間の声に迎合したテレビ発言を発端としており、その後に誤りを認めるのであればともかく、テレビタレントとしての発言力と知名度を利用して、さらにテレビやブログで自己の発言を「世間」に向けて正当化し続けているのです。
橋下弁護士のこれらの一連の言動は、懲戒手続の結果如何にかかわらず、これから刑事弁護に携わろうとする多くの弁護士の現実的負担や不利益を増大させるものであり、その必然的な結果として、これから刑事弁護に熱意と使命をもってもらわなければならない若手・中堅の弁護士のモチベーションを深く傷つけ、一人でも多くの弁護士が刑事事件を担当しなければ維持することすら困難な刑事弁護制度の運営をより深刻化させるものと思われるのです。
これが批判せずにいられるでしょうか、というのが私の気持ちです。
モトケン (2007年11月11日 00:24) | コメント(157) | トラックバック(4) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:何故、橋下弁護士批判なのか。 – 元検弁護士のつぶやき
安田弁護士懲戒せず
光市母子殺害事件の安田弁護士懲戒せず…第2東京弁護士会(2007年12月22日3時6分 読売新聞)
関係者によると、第2東京弁護士会の綱紀委員会は「模擬裁判のリハーサルと重なることを欠席の理由の一つにしたのは妥当ではなかった」としながらも、「被告の権利を守るため、やむを得ず欠席したもので、引き延ばしなどの不当な目的はなかった」と議決。これを受け、同弁護士会は懲戒せずの決定を下した。
いずれもっと詳細なソースが明らかになると思いますが、上記の範囲で言えば
「模擬裁判のリハーサルと重なることを欠席の理由の一つにしたのは妥当ではなかった」というのは全くそのとおりで、リハーサルを欠席の理由としてあげたことがこれを聞いた多くの人に重大な誤解を生じさせ問題を複雑化させたと思います。
今年のワーストKY発言です。
私も現時点では「被告の権利を守るため、やむを得ず欠席したもので、引き延ばしなどの不当な目的はなかった」という点は理解することができます。
最高裁が死刑を自判する可能性がたとえわずかでもあったとすれば(事実上はほとんどなかったと思いますが)、被告人の主張を尽くす機会を確保するためという主張は理解できますし、少なくとも差戻審の審理を見る限り安田弁護士が主導している弁護団に訴訟引き伸ばしの姿勢はまったく認められません。
但し、「刑事裁判と被告人の納得(光市母子殺害事件から)」で既に述べていますが、被告人の主張・弁解については、最高裁にいくまでに、つまり1審や控訴審で出し尽くし審理を尽くしていなければならなかったはずです。
まあ、結果論の部分もあり、1、2審の弁護人の弁護方針がその時点において間違った判断だったと断言はできませんが、1、2審の弁護方針に起因する問題を安田弁護士の責任として問うことは的外れなところがあると思います。
がしかし、ドタキャンを回避することは不可能ではなかったのではないかという思いは残っています。
そして、できればドタキャンはしてほしくなかったという思いが強いです。
ドタキャンによって、いわゆる世間の刑事弁護に対する(誤った)印象が強くなったのは事実であると思いますので。
モトケン (2007年12月22日 10:46) | コメント(16) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:安田弁護士懲戒せず – 元検弁護士のつぶやき
安田弁護士が講演
光の母子殺害:「司法の怠慢が誤解招いた」 安田弁護士が講演 /山口
光市事件裁判を考える講演会が8日、山口市大手町の県教育会館であり、主任弁護人の安田好弘弁護士は「司法の怠慢がマスコミや世論の誤解を招いた。この裁判は司法が生き返るかが問われている」と訴えた。
安田弁護士は「最高裁までの判決は検察が造り上げた事実。それを裁判所も弁護人も解明する力がなかった」と強調。そのうえで「最高裁は正しいという前提があるから弁護人が非難されるのは当然。司法の職責を果たすためにも少年に生きる道を示してほしい」と話した。
言わんとするところはかなり違うかも知れませんが、私も、この事件では1審2審の弁護人、検察官と裁判官は怠慢だった可能性があると思っています。
詳細は以前に書いたとおりです。
刑事裁判と被告人の納得(光市母子殺害事件から)
もっとも安田弁護士の本件の事実に関する主張が説得力を持っているかどうかは別問題です。
モトケン (2008年3月12日 23:07) | コメント(52) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:安田弁護士が講演 – 元検弁護士のつぶやき
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