塩尻市のコインランドリーで昨年2月、女性の下着を盗んだとして窃盗罪に問われ、長野地裁松本支部で無罪判決を言い渡された同市、無職男性(39)について、長野地検は控訴せず、無罪判決が3日、確定した。男性と弁護士は松本市の弁護士事務所で記者会見し、警察、検察側に改めて謝罪を求める考えを示すとともに、訴訟を検討していることを明らかにした。一方、長野地検の山本幸博・次席検事は記者会見で、「判決内容を詳細に検討した結果、控訴しないという判断をした」と述べたが、具体的理由は明らかにしなかった。
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男性裁判員(53)が「密室の水掛け論にならないよう、取り調べの全過程を録 音・録画すればいい>」と語るなど、全員が取り調べの可視化の必要性を説い た。
毎日新聞 2013年02月01日 21時58分(最終更新 02月01日 23時09分)京都府八幡市で11年8月、スーパー駐車場の車から女性の遺体が見つかった事件で、交際相手に暴行し死なせたなどとして、傷害致死と死体遺棄の罪に問われた岐阜県瑞浪市、無職、長沼勇也被告(24)の裁判員裁判の判決が1日、京都地裁であった。市川太志裁判長は傷害致死罪を無罪とし、死体遺棄罪だけを有罪と認定、懲役1年6月、執行猶予4年(求刑・懲役7年)を言い渡した。
長沼被告は11年6月、交際中の日比野茜さん(当時34歳)=同市=をホテル浴室で数回突き倒して頭蓋(ずがい)内出血で死なせ、遺体を約2カ月間、車内に放置した、として起訴された。弁護側は公判で、日比野さんを突き倒したことは認めたが、死亡との因果関係を否定し、傷害致死罪の無罪を主張していた。
判決は「浴室で暴行し、日比野さんが頭を打った」などとする捜査段階の供述調書について、内容が変遷し、取り調べ時のメモも破棄されていると指摘、信用性に疑問が残ると判断した。
そのうえで、「ホテルに入る前、別れ話から日比野さんが走行中の車から飛び降りて頭を打った」とする弁護側の主張を否定する証拠もないと指摘。「暴行以前の負傷が死因の可能性を否定できない」と傷害致死罪は成立しないと結論付けた。
京都地検の中田和範次席検事は「上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。
判決後、裁判員6人全員が記者会見し、男性裁判員(53)が「密室の水掛け論にならないよう、取り調べの全過程を録音・録画すればいい」と語るなど、全員が取り調べの可視化の必要性を説いた。
取り調べメモをめぐっては、最高裁が証拠開示の対象と判断している。京都府警は「供述調書に同じ内容を転記した場合、紛失防止などの観点からメモは破棄していいと指導している」としている。【田辺佑介】
弁護側の主張を認めて「日比野さんが死亡2日前、走行中の車から飛び降りた 際、頭を打って頭蓋内出血が生じた可能性がないと言い切るのは
京都新聞 2月1日(金)23時9分配信
京都府八幡市のスーパー駐車場で2011年8月、軽乗用車から岐阜県瑞浪市の無職日比野茜さん=当時(34)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死と死体遺棄の罪に問われた交際相手の無職長沼勇也被告(24)の裁判員裁判の判決が1日、京都地裁であった。市川太志裁判長は、「被告の暴行で死亡したと認めるには合理的な疑いが残る」とし、傷害致死罪は無罪とした。死体遺棄罪の成立は認め、懲役1年6月、執行猶予4年を言い渡した。検察側は懲役7年を求刑していた。
市川裁判長は、日比野さんが頭蓋(ずがい)内出血で死亡したと認定。一方で、「突き飛ばした時、日比野さんが浴槽に頭を打ったのを見た」とする警察官作成の長沼被告の供述調書に対し、取り調べ内容を記録したメモが廃棄され、やりとりを検証できないと指摘し、信用性を否定した。
その上で、弁護側の主張を認めて「日比野さんが死亡2日前、走行中の車から飛び降りた際、頭を打って頭蓋内出血が生じた可能性がないと言い切るのは困難」とした。
判決によると、長沼被告は11年7月1日、大阪府豊中市内で日比野さんが死亡しているのに気付いたが、8月20日までの間、八幡市内で遺体を車内に放置した。
京都地検の中田和範次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。