「郷原信郎弁護士」タグアーカイブ

有識者らが検察を厳しく批判する見解を表明、ジャーナリストらが取材を開始、また、郷原信郎弁護士が自ら買って出て朝倉さんの控訴審弁護団に参加されたほか、/朝倉亨さんを支援する会

メンズカジュアル衣料品の製造卸売会社「エス・オーインク」元社長の朝倉亨さん、経営コンサルティング会社「財務営業パートナーズ」元取締役の佐藤真言さんが、詐欺の罪で東京地検特捜部に逮捕、起訴されてから、この10月で1年が経過しております。両氏に対して東京地裁は今春、ともに懲役2年4月の実刑判決を宣告。両氏はただちに控訴し、この事件により職を失ったため日雇い労働で糊口をしのぎながら、現在も苦しい法廷闘争を続けております。

この事件の捜査につきましては現在、我が国の多くの中小企業が直面する問題や、金融機関の実情を考えるとき、不当な捜査だったのではないかとの声が日増しに高まっております。事件の真相を詳細に明らかにした「「四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日」(石塚健司著)が講談社より刊行され、有識者らが検察を厳しく批判する見解を表明、ジャーナリストらが取材を開始、また、郷原信郎弁護士が自ら買って出て朝倉さんの控訴審弁護団に参加されたほか、朝倉、佐藤両氏を知る方々、同じ立場にある全国の中小企業経営者等の方々からも沢山の激励の言葉が寄せられております。

両氏にとってこの法廷闘争の展望は残念ながら明るいとは言えない状況です。佐藤さんに対しては既に控訴棄却の厳しい判決が言い渡され、佐藤さんは上告の手続きをとりました。また、朝倉さんの控訴審でも高裁は、弁護側が求めた事実審理を一切行わずに結審し、11月7日に判決が言い渡される予定となっております。

引用:朝倉亨さんを支援する会

昨日の佐藤弁護士の会見などからすると、「万が一」が現実になる可能性も。/郷原信郎弁護士

特捜検察が「普通の市民」に牙をむくとき /郷原信郎弁護士

引用した部分の後は、しばらく斜め読みしたあと、読むのをやめました。時間的余裕があればということもあり、メモも兼ねています。タイトルはインパクトもあり、人目もひきそうです。


特捜検察が「普通の市民」に牙をむくとき
投稿日: 2012年9月30日 投稿者: nobuogohara

 本ブログ記事【「正義を失った検察」の脅威にさらされる「400万中小企業」】で紹介した、中小企業経営者の朝倉亨氏と経営コンサルタントの佐藤真言氏の二人とお会いし、じっくり話をした。
政治権力者でも、著名な企業経営者でもない、普通の市民の二人は、特捜捜査に情け容赦なく踏み潰され、粉飾決算書を提出して金融機関から融資を受けたという詐欺で実刑判決を受け、裁判は継続中だ。
 佐藤氏は、「刑務所に入ることになっても、出てきて10年たったら法曹資格がとれると聞いています。自分のような目に遭わされる人が出ないように、弁護士になりたい」と考え、法科大学院の入学試験を受け合格した。検察の不当な捜査、起訴によって、実刑判決を受けるという自らの厳しい境遇を感じさせないほど、本当に前向きだ。
 一方の朝倉氏、懸命に経営してきたアパレル会社は、社長が検察に逮捕されたことで、一瞬のうちに破産した。従業員は路頭に迷い、取引先の連鎖倒産まで生じさせた。それは検察の理不尽な捜査の結果なのだが、朝倉氏は、そのことで自分を責める。裁判が終わった後は、刑務所に入ることしか考えられないという。朝倉氏は、毎日運送会社の夜勤を務め、自分の体をも責めつづける。
どうして彼らが、このような境遇にさらされなければならないのか。「検察の正義」、「刑事司法の正義」は、どこにあるのか。

引用:特捜検察が「普通の市民」に牙をむくとき | 郷原信郎が斬る

凶悪な組織犯罪で証人が危険にさらされることも防止できた。それが、日本社会の安全に貢献してきたことも確かである /郷原信郎弁護士

刑事裁判における立証が、供述調書中心に行われてきたことと、検察が日本の刑事司法の中核として「正義」を独占してきたこととは不可分一体の関係にある。刑事事件の真相は、公判廷ではなく、検察官の取調室で解明され、その解明された真実が供述調書化され、判決で調書どおりの事実認定が行われるというのが、日本の刑事司法の枠組みであった。それが、「供述調書至上主義」の特捜検察の独善、暴走を招き、大阪地検の郵便不正事件の不祥事では「ストーリー捜査」による冤罪、陸山会事件では、虚偽の捜査報告書で検察審査会を欺くという重大な問題が明らかになった。しかし、一方で、このような検察中心の旧来の刑事司法の枠組みの下で、公判証言に頼ることなく検察官調書によって犯罪の立証が可能だったことから、凶悪な組織犯罪で証人が危険にさらされることも防止できた。それが、日本社会の安全に貢献してきたことも確かである。

引用:映画「ファイヤー・ウィズ・ファイヤー」と「供述調書中心主義」 | 郷原信郎が斬る