日本の政権与党の議員、それも首相に近い議員たちがかくも質が低いのかと知って、暗然とした気持ちでいる。まさに「政治の劣化、ここに極まれり」といった体である。/ジャーナリスト江川紹子

会合すべてを公開したわけではないが、聞かれているのはわかっていて、それについては暗黙の了解がある。ということは、議員たちは聞かれていても困らない、問題になるようなことはないという認識であのような発言をしたのだろう。現に、「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番」「経団連だとかに働きかけしてほしい」などと発言した大西英男議員は後日、報道陣の取材に対し、会合での自身の発言について「問題があったとは思いません」と述べている。

 政治とメディアの関係や報道の自由などに関して、根本的な理解を欠いていると言わざるをえない。そのうえ、沖縄の普天間基地がどのように作られたのか、住民がなぜその周辺に住まざるを得なかったのかも知らないまま発言をしている。彼らは、インターネット上に転がっている出所不明の情報を安易に信じ込んでいるようだ。

 日本の政権与党の議員、それも首相に近い議員たちがかくも質が低いのかと知って、暗然とした気持ちでいる。まさに「政治の劣化、ここに極まれり」といった体である。こういう質の問題は、党幹部の「厳重注意」で改善するものではあるまい。

 安倍首相は陳謝する際、一連の発言を「大変遺憾で非常識な発言」としたうえで、「党本部で行われた勉強会だから、最終的には私に責任がある」と自らの責任を認めた。ならば、これで幕引きではなく、責任はきちんととってもらわなければならない。

引用:勉強会には百田よりナベツネが適任!【報道圧力発言】で安倍首相に求められる責任の取り方 | ビジネスジャーナル