『絶歌』については、明石市が書店や市民に「配慮」を求め、泉房穂市長が「遺族の同意なく出版されること自体許されない行為で、加担してほしくない。私個人の思いとしては売らないでほしいし、買わないでほしい」と発言。いくら被害者感情に対する配慮といっても、自治体の長が出版物の販売や購入の自粛を要請する趣旨の発言をするのは尋常ではない。
図書館にも閲覧制限の動きが出ている。明石市図書館では本を購入せず、兵庫県立図書館では貸し出し制限として、「研究目的」に限り館内限定で閲覧を認め、複写は一切認めない、という。
いずれも被害者感情に配慮するあまり、人々の知る権利が過小に扱われてはいないだろうか。図書館関係者は、日本図書館協会が採択した「図書館の自由に関する宣言」を読み直してもらいたい。