美濃加茂市長に対する判決で、裁判所はN証言の問題を縷々指摘し、「詐欺事件の処分を軽くするため、捜査機関の関心を他の重大事件に向けたり、意向に沿う行動に出たりすることは十分あり得る」として退けた。N証言は虚偽との判断だ。/ジャーナリスト江川紹子

■弁護人と検察官の距離関係

こんな風に、弁護人が検察官と極めて近しい関係にある場合、「合意」内容の真実性や妥当性について、弁護人が十分チェック機能を果たせるだろうか。それでなくても、密室の中で検察官と被疑者が合意に達した時に、そこにおらず、検察側の証拠を見ているわけでもない弁護人が、妥当性を正しく判断できるのか、非常に心許ない、というのに……。

美濃加茂市長に対する判決で、裁判所はN証言の問題を縷々指摘し、「詐欺事件の処分を軽くするため、捜査機関の関心を他の重大事件に向けたり、意向に沿う行動に出たりすることは十分あり得る」として退けた。N証言は虚偽との判断だ。

検察側は控訴しているが、無罪が確定しても、検察がN証言を虚偽と認めることはあるまい。

引用:【江川紹子の事件簿】FIFA汚職と刑事訴訟法改正案──改めて問われる取り調べ可視化 – Mulan