岡山弁護士会の監督責任を問う声も上がり、同席した日本弁護士被害者連絡会の市井信彦会長(58)=京都市=は「弁護士会は知っていることをすべて明らかにすべきだ」

「あきれて物が言えない」。業務上横領罪などに問われた岡山弁護士会の元弁護士福川律美被告(65)の初公判で、被害者の会の越宗攻次会長(68)は公判を傍聴後、岡山市で会見。自分たち依頼人にうそを重ね、巧妙な手口で流用を重ねたとする冒頭陳述の指摘に、あらためて憤りをあらわにした。

 福川被告が起訴内容を全面的に認めたことに、越宗会長は「これが事件の幕引きの要因となってはならない」と強調。「流用を止める仲間は誰もいなかったのか。金の流れを完全に解明しなければ、法曹界の歴史に大きな汚点を残す」と徹底した真相究明を求めた。

 所属していた岡山弁護士会の監督責任を問う声も上がり、同席した日本弁護士被害者連絡会の市井信彦会長(58)=京都市=は「弁護士会は知っていることをすべて明らかにすべきだ」。越宗会長は損害賠償請求訴訟も視野に補償を求めていく考えを示した。

 一方、岡山弁護士会の近藤幸夫会長は「弁護士全体に対する信頼が著しく損なわれている深刻な現状を厳粛に受け止めている。事件の全容解明を強く期待し、再発防止に全力を挙げる」とする談話を発表した。

引用:被害者の会、憤りあらわ 巨額横領初公判で会見 – 山陽新聞ニュース